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キリン生茶のボトルは「ハートランドビール」がヒントだった

日刊ゲンダイDIGITAL 9月10日(土)9時26分配信

 装いも新たに生まれ変わったキリンビバレッジの緑茶飲料「キリン生茶」が売れている。今年3月のリニューアル発売から5カ月で約1400万ケースを販売。昨年の同期間と比較すると約5割増という好調ぶりで、ブランド全体での年間販売目標2000万ケース達成も確実な勢いだ。

 新生茶は「お茶のいいとこ、まるごと出し切る」をコンセプトに、お茶の魅力を最大限に生かして登場。今までにない深いコクと軽やかな余韻を楽しめるとあって、「気づけば1本飲み切っている」といった声も聞かれ、「ペットボトル緑茶として、急須では出せないおいしさを目指しているのでうれしい反響」(マーケティング部商品担当の菅谷恵子氏=写真)だという。

 キリン生茶は2000年に誕生した。苦味や渋味ではなく、うま味や甘味。加えて「生」という新しい概念。生茶葉抽出物を使用することによって深いうま味を引き出したペットボトルならではの本格緑茶は、初年度から2000万ケース以上を売り上げる大ヒットとなった。以降、右肩上がりで市場拡大にも貢献したが、他社の参入が進むと一転、販売数量は03年をピークに減少へ。05年からは毎年リニューアルを実施するも思うように伸びない。

「改良を重ねるうちに、ポジショニングが曖昧になった。渋味がないから飲みやすいこと、また『生』をフレッシュと捉えて、爽快というイメージをつくってしまった」(菅谷氏)

■嗜好品のように飲んでほしい

 結果、緑茶としては薄いというユーザーの反応。そこで今回の大リニューアルである。今やペットボトル緑茶市場は、機能性に特化した緑茶を除くと成熟市場。差別化特性が薄れ、何となく無難という理由で選択される傾向があることから、「競合戦略ではなく、すべての飲料カテゴリーから生茶を選んで飲んでもらうにはどうしたらいいかを考えた」(菅谷氏)。

 その答えが前出のコンセプト。茶葉を低温で丁寧に抽出した後に“まるごと”微粉砕したかぶせ茶を加えることで、しっかりコクが出て、緑茶本来のおいしさがありながら、さわやかな余韻が続いて「また飲みたい」となる。スタイリッシュなパッケージも好調要因だ。緑茶には珍しいつるんとしたボトルは、嗜好品のように飲んでほしいとの思いから、キリンビールの「ハートランドビール」の瓶をヒントにしたという。見た目にもこだわって「いつでも持ち歩きたい緑茶飲料」となったことで、今後は新しい飲み方やシーンの広がりも期待される。

最終更新:9月10日(土)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL