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日本ハム・中島卓也 急成長の理由はV争い

デイリースポーツ 9月10日(土)14時0分配信

 パ・リーグのペナントレースは、日本ハム、ソフトバンクともに残り20試合を切っても、先の読めないし烈な優勝争いを繰り広げている。

 両チームの選手は負けられないプレッシャー、極限状態の中でプレーする。精神的な疲労度はかなりのものだと思う。そんなギリギリの戦いを歓迎しているのが日本ハムの栗山監督だ。

 「大変かもしれないけど、注目されて、必死になればなるほど、選手の知恵が生まれてくる。厳しい試合をやればやるほど、選手はうまくなるんだ」と言う。

 12年に最下位に沈んだ日本ハムはここ3年、Aクラス入りの常連となった。厳しい試合を経験し、着々と選手の技量が上達していると実感しているからこその監督の言葉ではないかと思う。14年には3位でクライマックスシリーズ・ファイナルステージに進出し、15年は2位。そして今季は、絶対的な強さを誇っていたソフトバンクを苦しめ、優勝争いに絡む。前半戦、しらけムードだったパ・リーグを大いに盛り上げた。

 チームの成績上昇とともに、日本ハムで急成長した代表的な選手は、中島卓也内野手であろう。栗山監督が就任した2012年から1軍に定着。この年は85試合で打率・114。高校、プロを通じ0本塁打。1年通して起用し続けるのは体力的に厳しいと思えたが、安定した守備やチーム打撃ができる特性を買い、栗山監督は遊撃手として起用し続けた。高校時代、無名選手だった男が、2015年には正遊撃手として全試合フル出場しベストナインにも選ばれた。オフにはプレミア12の日本代表にまで選出されるまでの選手になった。

 中島自身も過去と現在をこう振り返る。「(3年前は)体はしんどかったけど、(今は)慣れというか、しんどくなる感覚が違いますね。体の強さが身についてきた実感があります」。1年フルでペナントを戦える体力を身につけたのである。

 広島担当時代、当時現役選手だった時の緒方監督の言葉を思い出す。「ランナーのいないところで打ってもクソくらい。ランナーがいるところで打ってナンボ」と言っていた。監督就任当初からゲームシチュエーションを意識した起用法が実を結び、今年、広島のチーム得点圏打率は・271(9日現在)と高い数字を残している。個々の選手に勝負強さを植え付けた結果ではないだろうか。

 シーズン終盤を迎え、優勝争いの輪の中にいるチームとは別に、下位に沈むチームでは若手を積極起用し、その中で結果を残している選手もいるが、いわゆる“消化試合”と言えるような状況下で結果を残した若手より、優勝争いの重圧にもまれ、プレーしてきた中島は、ほかのチームの若手よりも有意義のある経験をしてきたはず。選手の成長を促す上で、一番、大事なことはどのような状況下で結果を残すかではないかと強く思う。(デイリースポーツ・水足丈夫)

最終更新:9月10日(土)14時4分

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