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断水続く、長期化懸念 ローリー20台投入 配水に懸命 北海道・十勝地方

日本農業新聞 9/10(土) 7:00配信

 台風10号による甚大な被害を受けた北海道十勝地方の西部で、営農用水の断水が深刻化している。清水町では200戸以上の農家が断水。牛の飲み水や畑作物の防除用水を応急的にタンクローリーで給水する。今の態勢を長く続けることは困難な上、水が凍り給水が難しくなる冬まで長引けば農業の存続さえ危ぶまれることから、対策が急務となっている。

 営農用水の断水が続くのは、清水町と芽室町、新得町の一部。特に深刻なJA十勝清水町管内では9日現在、畜産農家の6割に当たる95戸、畑作農家約140戸が断水状態だ。応急対策で、緊急導入したミルクローリーなど20台態勢で日量700~800トンの水を畜産農家30戸や貯水施設に運搬する。

 水源だった三つの調整池のうち二つは頭首工や貯水池が壊滅的な被害を受けた。一つの調整池には、現地調査にも行けていない。

 復旧の長期化が心配される2水系で断水する畜産農家は55戸。飼養頭数は、乳牛と肉用牛を合わせ約1万9000頭に上る。清水町の酪農家、大久保大輔さん(38)は「10月中に復旧が終わってもらわないと困る。凍ってしまったらどうにもできない」と訴える。水が凍れば給水できなくなるからだ。

 大久保さんは乳牛260頭を飼養し、日量15トンの飲み水が必要だ。現在はローリー車で運ばれてくる水を屋外に設けた五つのタンク(約3トン)にため、ポンプで牛舎に給水して対応する。

 畑作農家にも断水の影響は大きい。この時期は、テンサイの褐斑病防除で営農用水を使う。直近では、今月中下旬に控えた小麦播種(はしゅ)後に、雪腐病の防除などでも利用する。

 管内では、橋の崩落で営農用水の送水管も損壊し、現在も調査を続けながら給水している。JAの岡田繁参事は「現在の対策では、とても十分とは言えない。長期的な支援も含め一刻も早い復旧が急務だ」と強調する。

日本農業新聞

最終更新:9/10(土) 7:00

日本農業新聞