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福井市街地、循環鉄道の可能性は 県が道路状況や需要調査へ

福井新聞ONLINE 9/10(土) 8:16配信

 JR福井駅西口広場に今春延伸された福井鉄道福井駅前線(通称ヒゲ線)のレールをさらに延ばし、市街地をぐるりと一周する循環鉄道の可能性調査に福井県が着手する。全国トップの車社会の同県で、持続可能なまちづくりのツールとして鉄道を将来にどう生かしていくのか、注目を集めそうだ。

 県の「高速交通開通アクション・プログラム」には、北陸新幹線敦賀開業までに実現を目指す施策として、「市内循環鉄道整備の検討」が盛り込まれている。9月補正予算案に調査費300万円を計上した。

 ヒゲ線は3月27日、駅前電車通りのユアーズホテルフクイ近くからJR福井駅西口広場まで143メートル延伸された。福井駅停留場が新たに設けられ、利便性が飛躍的に向上した。県は、新停留場からどの方面にレールを延ばしてループ化するのが効果的かを探るため▽道路の状況▽交差点をスムーズに曲がることができる車両のタイプ▽整備費▽需要見込み―などを調査する。年度内に結果をまとめる。

 全国では、福井県と同じく全国有数の車社会の富山市が、公設民営の上下分離方式で富山地方鉄道の市内路面軌道を約0・9キロ新設。既存の線路とつなぎ、富山地鉄が2009年12月から1周約3・4キロを循環運行している。札幌市電も市街地のレールを延ばして昨年12月にループ化した。

 県交通まちづくり課の猪嶋宏記課長は「調査結果を見極め、事業化の可否を検討することになる」と前置きした上で、もし実現すれば「運行頻度が増し、誰もが気軽に利用できる水平エレベーターになる」とみる。効果として、車の運転できない高齢者の外出機会や社会参加が増えることで、社会保障関係費の抑制につながるほか、郊外から都心への回帰、中心市街地のにぎわい創出、地球温暖化防止などにつながるとしている。

 西川一誠知事は9日の定例会見で、循環鉄道の可能性調査について「本県は車社会なので住民の考えが多方面。一定の方向を選ぶにはコンセンサスがいる。いろいろ勉強する必要があるが、ほおっておくと研究にならない。議論のスタートにしたいと思う」と力を込めた。

福井新聞社

最終更新:9/10(土) 8:16

福井新聞ONLINE