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効果的な「睡眠」のために一番大切なこととは?

TOKYO FM+ 9月10日(土)12時0分配信

暑かった夏が終わり、いよいよ秋がやってきます。「秋の夜長」という言葉もありますが、この季節はついつい夜更かしをして寝不足になりがちという方もいるのではないでしょうか。ふだんから寝付きが悪かったり、夢見が悪くて、少々寝不足気味……という方も必読! 今回は快適な「眠り」について、TOKYO FMの番組の中で詳しい方々に教えてもらいました!

◆「効果的な睡眠のために一番大切なのは……」
~日本大学医学部精神医学系 主任教授 内山真さん

寝付きの悪い人に一番多いのは「眠っておこう」と思って、眠たくないのに床に入る人です。眠くなければなかなか寝られません。眠たくなるのは体が休む準備を始めているということ。朝起きてから14~16時間くらいで眠る準備が始まり、体に眠る態勢が整えばスムーズに寝付けます。つまり、朝起きる時間が寝付きのタイミングを決めているとも言えるでしょう。

目をつぶって横になっているだけでも体を休めていることにはなります。ただ、無理に眠ろうと思って横になると「眠らなくちゃ」と緊張してしまうのが問題です。それが何度も続くと「今日はちゃんと眠れるかな」と不安になり、寝付きの悪さが慢性化します。それくらいならいっそ「まあ今日はいいか」と思いましょう。翌日の朝にちゃんと起きれば、次の日にはしっかりと眠れます。

眠るときはできるだけリラックスできる環境を整えることが重要です。部屋を自分にとって心地良い感じにするのはもちろん、もし「真っ暗や無音だと落ち着かない」というのであれば、音量を小さくしたテレビが付けっぱなしでも構わないと思います。気になって目が覚めたらそのときに消せばいいので、何よりリラックスできるかどうかが一番大切です。

「何時に寝なくてはいけない」ということも特にありません。たとえば成長ホルモンは眠り始めの2~3時間にたくさん出るのですが、それは時刻で決まっているわけではありません。遅い時間帯に仕事をしている人がみんな不健康かというとそんなことはなくて、自分の生活リズムの中でうまいパターンを見つけるのが大切です。

人間に必要な睡眠時間は年齢や季節の影響を受けます。年齢に関して言えば、平均的な睡眠時間は15歳で8時間くらい。それが25歳で7時間、45歳で6.5時間、65歳で6時間というデータが出ています。眠らずに仕事や勉強を頑張ると「睡眠負債」といってどんどん睡眠時間の借金が貯まっていくので、どこかで返さないと体が回復しません。ただし、先に寝だめして後で夜更かししようとしても、それほど効果がないのでお気を付けください。


◆「快眠のために自分に合った寝具選びを!」
~東京西川 スリープマスター 杉原桃菜さん

寝具は大きく分けて3つの要素があります。それは「掛け布団」と「敷き布団」と「枕」。掛け布団は冬なら暖かい羽毛布団、夏なら薄いタオルケットなど、気温や環境に応じて組み合わせを選ぶのは、どなたでも同じだと思います。

敷き布団(マットレス)は寝ている間ずっと体を支える重要なアイテムです。これが体に合っていなかったり、ずっと同じモノを使い続けて腰の部分がへたってくると、寝ているときのキレイな姿勢を保つことができなくなって、体に負担が掛かります。寝ているときのキレイな姿勢とは、まっすぐ立ったときの姿勢がそのまま横に倒れた状態を言います。背骨のS字カーブが睡眠中も保たれると、体に負担を掛けずに眠ることができるんです。ですから自分の体格に合ったモノを使うのがすごく大切です。

近年よく聞く「低反発」「高反発」はウレタンの硬さを表しています。どちらがいいということはなくて、マットレスは硬すぎても柔らかすぎてもダメ。硬すぎると腕が痺れたり体のどこかが痛くなったりしますし、柔らかすぎると体が沈んでしまい寝返りがスムーズにできません。適度な硬さが土台にあり、その上にクッション性のある層があると、体の凹凸に合わせて力を分散してくれるので寝心地が良い、ということです。

自分に合った敷き布団を選ぶには、実際に横になって肩と腰に注意してみてください。そこがもっとも力の掛かる部分なので、肩と腰に圧迫感を感じないかどうかをチェックします。次に横向きになって、腰のくびれとマットレスの間に隙間ができていないかを確認します。硬すぎると手がスポッと入るくらい隙間ができて、肩と腰だけで体を支えている状態になります。

枕はぴったり首にフィットするのが重要で、首の後ろに隙間ができているようだと枕の高さが合っていません。それから横向き寝をしたときに肩幅分の高さも必要で、高さが足りないと横向き寝のときに頭が落ちた状態になって首や腕に負担が掛かります。ですから1つの枕で2つの高さが備わっているモノがおすすめです。真ん中が少し凹んで、両サイドが少し高くなっている枕なら、仰向けと横向きどちらもちょうどいい高さで使えます。


◆「人は寝ているときに必ず夢を見ています」
~心理学者/東邦大学理学部名誉教授 渡辺恒夫さん

寝ているときに夢を見るのは、現実のリハーサルだと私は考えます。子どもはよく夢を見ますが、怪物や猛獣に追いかけられる内容が多いんです。この夢は石器時代なら実際に役に立ちました。大人になって狩りに出たとき、マンモスに追いかけられても夢のリハーサルのおかげで慌てずに対応できましたから。そういうリハーサルやシミュレーションが夢だと思います。現代でも数日後に控えた試験の夢を見る人は少なくないでしょう。

それから夢は「前日」もしくは「1週間前」の出来事が反映される確率が高いという統計があります。記憶は脳の海馬で処理されて、海馬から大脳皮質に拡散していくのですが、その拡散にかかる時間が約1週間なんです。カナダのニールセンという人が「映画を見せて、その要素がどれくらい夢に出てくるか」という調査をしたら、ピークが前日と1週間前でした。

夢を研究するにあたっては、脳波を調べて、夢を見ているとわかっているときに起こします。そうするとほぼ確実に夢を思い出せるんです。睡眠には90分のサイクルがあって、入眠して最初は深い眠りに入り、だんだん眠りが浅くなって70分くらいでレム睡眠になり、90分が経つとまた深い眠りになるのを繰り返します。夢を見るのが絶対にレム睡眠のときだけということはないのですが、夢らしいドラマチックな夢は、だいたいレム睡眠です。

人は寝ているときに必ず夢を見ます。しかも90分サイクルなので1晩に4~5回の夢を見ています。そして7時間30分で起きればちょうどレム睡眠なので最後の夢を覚えていることが多いのですが、8時間だと深い眠りのときに無理矢理起こすことになるので、そのショックで夢を忘れてしまいます。起きたときに夢のキーワードを少しでもスマホにメモしておけば、通勤の電車の中でけっこう芋づる式に思い出せるものですよ。

ちなみに男性と女性を比較すると、意外にも異性が登場する夢をよく見るのは女性のほうです。女性は見知らぬ男性が登場して喧嘩になったり襲われたりする夢が多いんです。これもやはり石器時代、少ない人数で集団生活している中、見知らぬ男性が現れたらそれは縄張りを荒らしに来た敵だったという習慣に起因していると考えられます。

(TOKYO FMの番組「ピートのふしぎなガレージ」2016年9月3日放送より)

最終更新:9月10日(土)12時0分

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