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有機ELスマホを巡るアップルvsサムスンの攻防

ニュースイッチ 9/10(土) 9:21配信

 米アップルが発表した新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)7」。世界を驚かせたのはアップルでなく、任天堂をはじめ他社とのコラボレーションだ。魅力的なコンテンツは皮肉にも、端末の革新の地味さを鮮明にした。アップルの停滞が続けば、ディスプレーを供給する日本メーカーの戦略にも影響してくる。

<シャープ、焦り大きく>

 国内ディスプレー2社の売上高に占めるアップル向け比率は、ジャパンディスプレイ(JDI)が16年3月期までに53・7%に、シャープはカメラモジュールの受注もあって同27・1%に高まっている。理由の一つには、両社の品質と価格の条件が、アップルにしか合致しないことがある。さらに韓国系端末は自前で、中国は国策で現地企業がディスプレー生産を拡大。日本勢はアップルと一蓮托生だ。

 今後は、次期iPhoneへの搭載が有力視される有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)パネルへの対応が分岐点となる。有機ELパネルの供給元は、量産で先行する韓国サムスンディスプレイが1番手、投資を活発化する韓国LGディスプレイが2番手。

 アップルがサムスンからの調達を減らしたいため、JDIが3番手とされる。JDIは17年春に試作設備を稼働し、18年の量産を目指す。資金不足もアップルからの投資で補えるだろうとみられている。

 同じく3番手を狙うシャープの焦りは大きい。台湾・鴻海精密工業による買収完了が8月半ばまでずれ込んだ影響もあり、量産計画は他社に比べて出遅れている。2000億円の投資計画を実行すれば、早期黒字化の経営目標が遠のく厳しい状況だ。戴正呉社長は就任早々に難しいかじ取りを迫られている。

 一方で、アップルの有機EL採用自体を疑問視する声もある。早稲田大学の長内厚教授は、「液晶の画質や視野角は有機ELを上回っており、付加価値として有機ELを使う意味合いは薄れてきた」と話す。しかも、有機ELの採用はサムスンの土俵で戦うことになり、分が悪い。国内ディスプレー2社の動向が注目される。

 10周年となる次期iPhoneは、有機ELの採用やエッジをカバーする曲面ディスプレー、メーンボタンとディスプレーの一体化など大きな変更が噂される。外観を左右するディスプレー変更は大幅な刷新となるため、市場を活性化させる期待も大きい。驚きの少なかった7は、どう次へつながるだろうか。

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最終更新:9/10(土) 9:21

ニュースイッチ