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「溶融燃料」不均質な固体 第1原発廃炉、切削工具開発に課題

福島民友新聞 9月10日(土)11時6分配信

 福岡県久留米市で開かれている日本原子力学会「秋の大会」は最終日の9日、東京電力福島第1原発の廃炉作業に関する最新の研究成果などが発表された。国際廃炉研究開発機構(IRID)の研究チームは事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を巡り、炉心内にあった燃料ペレットや制御棒などが溶けて不均質に混ざり合った固形物として存在していると報告した。

 IRIDのチームは、事故前の第1原発の炉心内にあった物質を高温で溶かした「模擬デブリ」を作り、デブリができる過程を再現。スリーマイル島原発事故で採取したデブリと比較するなどして、より実証的な構造の分析に取り組んだ。

 その結果、圧力容器内にとどまっているデブリは、核燃料集合体を構成していたウランとジルコニウムを主成分としているが、その中に制御棒に含まれていた鉄など複数の金属が完全に溶けることなく混じり合っていると考えられる。このため、仮にデブリを削り取る場合には、最も硬い金属を加工できるような工具の開発が不可欠という。

 また、格納容器の下部まで落ちたデブリは、底面のコンクリートにめり込んでいるとみられ、除去する際には、デブリ本体だけではなく、デブリの熱で反応したコンクリートまで安全に取り除く技術が必要となる。IRIDの担当者は「実際のデブリを採取して構造を分析できるのはまだ先の話。可能な限り研究を進め廃炉作業に備える必要がある」と指摘する。

福島民友新聞

最終更新:9月10日(土)11時6分

福島民友新聞