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[社説]北朝鮮の核実験を強く糾弾する

ハンギョレ新聞 9月10日(土)7時21分配信

 北朝鮮は9日、電撃的に5回目の核実験をした。今年初めに4回目の核実験をしてからわずか8カ月目だ。核爆発の威力も歴代最大という。朝鮮半島の関係国や東アジアの国々がアセアン首脳会議や主要20カ国(G20)首脳会議を契機に、北朝鮮に対していっせいに警告メッセージを送った直後であるゆえいっそう挑発的である。今回の核実験は、孤立している北朝鮮が国際社会に正面から対抗する宣言でもある。北朝鮮の無謀な行いを強く糾弾する。

8カ月目の無謀な強行

 今回の核実験は、これまで概ね3年ごとに行われてきた核実験のパターンを破ったものである。これは核技術を早急に完成させるという意図が下地になっている。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は今年3月に「核の攻撃能力の信頼性をいっそう高めるために早い時期に核弾頭の爆発試験や、核弾頭装着が可能な弾道ロケット試験発射を断行する」としていた。その後北朝鮮は各種の中短距離の弾道ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を試験発射し、今回新たに核実験まで強行した。北朝鮮は今回の核実験直後の声明で「標準規格化した核弾頭の構造や動作性、性能や威力を最終的に検討確認した」として「小型化、軽量化、多種化した各種の核弾頭を必要に応じて思い通りに生産できることになった」と強調した。既存の核保有国に見合った「実戦用核兵器」の技術レベルに達したということだ。全ては信じられないものの、北朝鮮が目指しているところがよく表れている。北朝鮮の思い通りになった場合「危険な核大国」が誕生することになる。

 北朝鮮の動きは孤立した国特有の独断と独善を如実に示している。これには権力基盤を固めはしたものの相変らず不安感を持っている金正恩委員長の性急な性格も作用している。彼の意図は核の技術を誇示して内部の結束と体制の安定を図り、核保有国であることを認めさせて米国などと「ビッグディール」を行うことにあるのだろう。しかし北朝鮮のこのような狙いをまともに受け入れる国はない。それでなくとも4回目の核実験以降「最も厳しい北朝鮮制裁」がなされている。今回の核実験に対する国際社会の衝撃と怒りは高まらざるをえない。

追加制裁は避けられない

 既存の国連安保理決議案は「北朝鮮の新たな核実験の際に自動的に重大な追加措置を取る」という、いわゆるトリガー条項をすでに含んでいる。朴槿恵(パククネ)韓国大統領とオバマ米国大統領は核実験直後の電話会談で可能なあらゆる手段を使って北朝鮮を圧迫」することにした。考えうる北朝鮮の制裁手段はすでに十分に取っており、既存の決議で除外されている市民生活用の北朝鮮輸出入規制、北朝鮮と取り引きする第3国の企業や銀行、政府にも制裁を加えるいわゆる「セカンダリーボイコット」が議論されるだろう。米国は北朝鮮を再びテロ支援国として指定することも検討しうる。これまでと同様に今回も重要な要素は中国である。中国は最近サード(高高度ミサイル防御システム)の駐韓米軍配備問題などで韓米と距離をおいているが、同時に北朝鮮の核に対する反対の意は明らかだ。いかなる場合でも国際社会の対応はうまく調整されるべきであり、声を荒げるよりは協調行動が大切である。

 政府は北朝鮮の制裁強化にばかり重点を置かずに朝鮮半島を巡る情勢にも気を遣わなければならない。南北関係は昨年夏の対話ムードを維持できず、今年に入っていっそう悪くなっている。南北間のあらゆるコンタクトが切れた状態にある。いつでも局地的衝突が起きうる状況まできている。このようになった主な原因はもちろん北朝鮮の頑なな姿勢にあるものの、韓国政府の対決一辺倒の政策も影響している。政府は南北間に不必要な物理的衝突が起きないよう断固としていながらも自制する姿も見せるべきだ。関係国との協力は緊要だが、さらに重要なのは政府の意志である。

 今回の核実験に対する効果的な対応と共に北朝鮮の核問題を解決する根本的な策が何であるかを検討すべきである。北朝鮮の核実験が繰り返されること自体が既存のコンタクトのやり方の失敗を反映している。政府は対北朝鮮制裁強化が唯一の答だと言っているが、そのような強硬一辺倒の政策には限界がある。北朝鮮の体制がすぐに崩壊しそうにない限り、厳しい制裁は厳しい反発を招きやすく今回の核実験もその一環と見ることができる。北朝鮮の体制が無謀だとしても対話の機会までつんでしまってはならない。これまでなされた5回の核実験のうち4回は北朝鮮に対する強硬政策を進める中で行われた。朝鮮半島の関係国が北朝鮮の核問題解決の努力を本当に至急と考えているのか疑わしい時もあった。サード問題がその例である。

根本的解決策検討すべき

 北朝鮮の核問題は長年の課題である。しかし事態が急に悪化したのはここ数年であり、今年に入って急激に最終段階に来たような様相を見せている。北朝鮮に対して怒り、糾弾し、プレッシャーをかけるだけでは答は得にくい。冷戦式の対決論理を乗り超えなければならない。危険なうえに現実性もない北朝鮮崩壊論に漫然とつき合っているのではなく、総合的に問題を解決できる戦略的なアプローチが求められている。
(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:9月10日(土)7時21分

ハンギョレ新聞