ここから本文です

出金記録に不自然さ 富山市議会自民政活費 2日に分け下ろす

北日本新聞 9月10日(土)0時47分配信

 富山市議会自民党で、中川勇元市議(69)=通算6期=が使っていた白紙の領収書で、同会派の5人の政務活動費74万5千円が引き出されていた問題で9日、出金に不自然な点があることが分かった。会派は現段階で「中川氏が全額持って行った」としている。中川氏が領収書1枚で1人で受領したとすれば出金は1日で済むが、銀行口座の記録から現金が2日に分けて下ろされていたことが判明。高田重信幹事長は「理由は分からない」と述べた。 【関連記事32、33面】

 5人は、議長の市田龍一氏(61)=通算5期、副議長の金厚有豊氏(68)=同4期、岡村耕造氏(66)=同5期、高森寛氏(71)=同4期、谷口寿一氏(53)=2期。

 5人に現金を渡したと証言した会派の事務員は、各議員の政活費専用口座の通帳を管理していた。9日に記者会見した高田氏は、通帳を基に出金があった日付を公開。問題の領収書は2013年4月19日付で、市政報告会の資料印刷代として74万5千円を一括して計上している。

 しかし、出金は岡村、高森2氏の各15万円が同25日に引き出され、市田、谷口2氏の各15万円と金厚氏の14万5千円は同26日だった。

 高田氏によると、金の流れは口座からの引き出しまでは通帳や帳簿でたどれるが、その後に事務員が誰にいつ手渡したか分かる記録はない。

 会派は9日、役員会で5人に聞き取りを行い、続いて全市議が出席する総会を開いた。いずれも非公開で、終了後に会見した有澤守会長、高田氏によると、5人は役員会、総会とも「受け取っていない」と述べた。

 事務員は8日に「5人に現金を渡した。信念として曲げられません」と話しており、主張が矛盾するため、幹部は12日にも事務員から再び経緯を聴くとした。

 有澤氏は、弁護士ら第三者を加えた調査を検討する考えを示し「うやむやにしては市民の理解を得られない。何とか明らかにしたい」と語った。


■厳正な真相究明を
自民会派幹部は、5人を一室に入れて話を聴いた。仲間意識が強く、当選回数も重きをなす議会の中で、仲間や先輩の話と反することを言えるだろうか。時間も20分余り。疑問が残る調査だった。

 8日夜には有澤守会長が、事務員に「記憶が薄いなら『私の間違いです』と報道陣の前で話してくれないかと、お願いした」と明かした。「5人をかばうつもりはない」と強調したものの隠ぺい工作とも受け止められる行為だ。

 それが分かったのが、報道陣に匿名で提供された自民会派控室の会話の録音だったことにも驚く。有澤氏の言動はもちろん、そのような音声データが出回ること自体に多くの市民があきれている。

 会派幹部には、あらためて厳正かつ早急な真相究明を求めたい。立場の弱い事務員への圧力や精神的負担も心配だ。「報酬アップの凍結」と引き換えに、おざなりな調査で終わらせることは許されない。(地方議会取材班)

北日本新聞社

最終更新:9月10日(土)9時24分

北日本新聞