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島体験 仲間寄り添う 伊江で民泊、交流に笑顔

琉球新報 9月11日(日)5時0分配信

 【伊江】全身の筋肉が萎縮する重い病気のため、県内で初めて人工呼吸器をつけて公立小学校に通う湯地駿羽(ゆじ・はやと)君(11)が7~9日まで伊江村で行われた自然体験学習に参加した。体験学習は県の離島体験交流促進事業で、那覇市立高良小学校(津波津賀子校長)の5年生143人と共に伊江島を訪れた。湯地君が学校の仲間と宿泊を伴う体験学習に参加したのは初めて。

 伊江島観光協会(古堅幸一会長)が協力し、西江上区の知念邦夫さん宅で民泊も体験した。仲の良い小嶺明輝君、具志寛斗君、金城立知君の3人が湯地君と衣食住を共にした。

 学校では常に特別支援学級の担任の先生とヘルパー、母親の三代子さん(41)が付き添う。痰(たん)の吸引などの医療的ケアは母親にしか認められていない。島への移動は自家用車も必要とするため、三代子さんと父親の啓幸さん(43)が自費で付き添った。

 本部港から伊江港に向かうフェリーに乗船した湯地君は船内のエレベーターで客室まで上がり、青い海を眺めながら30分の船旅を味わった。島で入村式が行われ児童らは緊張した面持ちで「島の両親」と対面。伊江島イメージキャラクターの「タッちゅん」も歓迎に駆け付け、湯地君もはじけるような笑顔を見せた。島内観光をし、城山(ぐすくやま)では、仲間の3人と湯地君の両親も登山に参加。頂上に到着し、車で中腹に移動した湯地君と互いに手を振り合った。

 同一行動の小嶺君らは常に湯地君に寄り添う。観光先や知念さん宅での車椅子の乗降の手伝いも手慣れたもので真っ先に声を掛ける。知念さんの妻の清美さんは「島での体験が心に残る思い出になればうれしい」と語った。

 離村式では、湯地君ら4人が「全部楽しくて最高。新しい家族ができた」と感謝の言葉をつづった色紙を知念さん夫婦に手渡した。

 母親の三代子さんは「民泊も初めてで想像できなかったが、家族同然のように接してくれた。普段できないことを駿羽もみんなと同じように経験できた」と感謝した。(金城幸人通信員、中川廣江通信員)

琉球新報社

最終更新:9月12日(月)12時6分

琉球新報