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3月に次ぐ多さ 「高1の中退」はなぜ10月に増えるのか?

日刊ゲンダイDIGITAL 9月11日(日)9時26分配信

 夏休み明けのこの時期は、高校をドロップアウトする生徒が増える。国立教育政策研究所の「公立高等学校の中途退学発生プロセスについての調査研究(中間報告)」によると、高1生の中退者は3月、10月、6月の順に多いという。10月は3月に次いで2番目だが、中学時代に不登校の傾向があった子供は、この時期に中退する確率が高くなるという。

 都内の私立高校に通う1年生女子が言う。

「規則が厳しすぎてつらい。チャイムが鳴り始めるまでに着席していないと、素行不良としてチェックされる。宿題がわからなくてできないのもチェック要素。そうやってチェックを重ねると、留年。私、チェックが多いから先生に嫌われてるんです(笑い)」

 彼女も中学時代は不登校で、なんとか偏差値40ほどの高校に入学したが、中学時代に集団生活になじめなかったこともあり、余計につらさを感じるという。2、3年生は、そういうチェックがなくなるため、学校側が1年生の段階で締め付けを強め、素行の悪い生徒を振り落とそうとする“戦略”にも見える。

 別の都立定時制高校に通う1年生男子は、不良グループに目をつけられて夏休み前に不登校に。学校に相談したところ、「通信制に転入すればいい」と、引き留められなかったという。2人とも夏休みに今の高校を中退することを考えていた。

■格差の影がチラリ

 18歳以上を対象に高卒認定・学び直しをサポートする「国分寺きずな塾」の代表・川上万里奈さんはこう話す。

「当塾に来る生徒さんが高校を中退した理由は、いじめが多いですね。不登校などで中学までの学習ができておらず、授業についていけないことに負い目を感じて中退した生徒もいます」

 高校は、そういう生徒をあっさりと見限る。義務教育ではないから当然……なのか。

「根本的な解決策のひとつは、まず中学までに身につけるべき学力を身につけること。自分は勉強ができない、と最初から劣等感を抱いてしまう子を減らすことが大切です」(川上さん)

 共働きで子供の勉強を見る余裕がないと塾に頼らざるを得ないが、教育費を払う余裕さえないと子供は悲惨だ。そこにも、格差の影がチラチラする。

最終更新:9月11日(日)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL