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勢い止まらない2.5次元、実写化との違いは?ヒットのワケを探る

シネマトゥデイ 9月11日(日)12時26分配信

 漫画やアニメなどの題材を舞台化した“2.5次元”作品の勢いが止まらない。代表的なミュージカル「テニスの王子様」は、城田優や斎藤工といった人気俳優を輩出しているが、数年前までは、一部の熱狂的なファンに支えられていた2.5次元。それがヒットを重ね、広がり続ける要因は何なのか。銀河劇場も手掛ける代々木アニメーション学院・取締役の伊藤太郎は、“ライブ感”と“とっつきやすさ”にあると語る。

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 近年、人気漫画が次々と実写化されている。しかし、それと2.5次元作品は全く異質なものだという。伊藤が「ドラマや映画の場合、実写化にあたり必ず改編が入る。これはもう2.5次元の定義からはずれる」と説明するように、2.5次元と呼ばれるのは、原作に忠実なものだけ。「2.5次元演劇としては、徹底的に“似せる”。例えば漫画原作なら、台本はセリフを含め原作から一切はみ出すことも減らすこともしてはいけない。原作から外れた瞬間に2.5次元という言葉は使ってはいけないんです」。

 唯一、役者と演出家の裁量が入るのがキャラクターの解釈だ。基本的にはすべて演出家の指示でキャラたちが2次元から2.5次元に生み出されていく。オリジナル作品では、俳優の役へのアプローチは、台本、脚本からイメージをふくらませ、作っていく作業に近い。だが、「2.5次元演劇にはベースの役がある。ここにいかに寄せていけるか、これは他での演技とは似て非なるもの」と伊藤は断言。役に入り込み、すでに提示されているキャラクター像にどこまで近づけるか、というのが役者に求められる資質の一つにもなる。

 2.5次元作品の市場はいまや100億円以上、作品数は2000年以来ほぼ右肩上がりに増加し、2015年には年間上演数が100作品を超えている。このヒットの要因を伊藤は“ライブ感”にあると話す。「一つの作品をゲネプロから初日、千秋楽と観ていると、その間にゲネが80%とし、初日で100%に持って行っている。でも千秋楽になるとなぜか120%になるんです。さらに、セリフの一言や動作の一つにちょっとした変化がある。そこが観客を惹きつけるのではないか」と分析。

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最終更新:9月11日(日)12時26分

シネマトゥデイ