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【広島】25年ぶりV!神ってる逆転の緒方軍団

スポーツ報知 9月11日(日)6時5分配信

◆巨人4―6広島(10日・東京ドーム)

 広島が25年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした。マジック「1」で迎えた2位・巨人との直接対決を42度目の逆転で制し、就任2年目の緒方監督が7度、宙を舞った。大一番で“神ってる”2打席連続アーチをかけた鈴木は、スポーツ報知に独占手記を寄せた。91年を最後に両リーグで最も優勝から遠ざかっていた広島。日本シリーズ進出を争うクライマックスシリーズで、最終ステージ(10月12日~)から出場し、32年ぶり4度目の日本一を目指す。

【写真】胴上げされて涙を流す黒田

 試合終了までベンチに腰を掛けたままだった緒方監督が、満面に笑みをたたえて歓喜の輪の中心に歩を進めた。ほんの少し瞳を潤ませながら、選手の手で7度、体を持ち上げられた。「広島の皆さん、全国のカープファンの皆さん、本当に長い間、お待たせしました。おめでとうございます」。大歓声を一身に浴び、あらためて25年ぶりの重みをかみ締めた。

 1991年に優勝して以降、チームは逆風にさらされた。FAで主力選手が次から次へと去り、ドラフトの逆指名制度によって有望な選手が獲得できなくなった。98年から15年連続でBクラスを経験するなど、長く続いた暗黒時代。旧広島市民球場は、今のマツダスタジアムでは想像できないほど閑古鳥が鳴いていた。

 「カープ女子」の登場などチームカラーがガラリと変わった広島は、今や人気と実力を兼ね備えた球団となった。現役時代のほとんどを暗黒の中で過ごした緒方監督が、指揮官としてついに、憧れ続けた晴れやかな表舞台へと立った。

 巨人戦での優勝決定。これも運命のいたずらか。自宅で、かな子夫人と野球の話をしたのは20年間でたった3度。監督就任、現役引退、そしてFA権を得た99年オフだ。優勝争いができるチームで戦いたいというのは正直な思い。そんな中、当時の長嶋巨人が獲得を望んでいることを耳にしたが「ただの野球少年だった自分をここまでにしてくれたのはカープ」と残留を決意。育ててくれた球団に恩を返し、自らの夢もかなえた。

 就任1年目だった昨年は4位。2年目の今季も絶対的なエースだった前田がドジャースへ移籍し、下馬評は低かった。それでもブレずに「投手を中心に守り勝ち、機動力を生かした広島伝統の野球」の再生にこだわった。田中、菊池、丸の同級生トリオを1~3番で固定。3人で60盗塁と他球団の脅威となった。

 投手陣ではジャクソン、中崎の必勝パターンを確立した。逆転勝ちは12球団トップの42度。サヨナラ勝ち9度が象徴する終盤の粘り強さにつなげた。

 佐賀生まれの武骨な九州男児。現役時代から頑固、口べたで、就任1年目だった昨季は意思がうまく伝わらず、チーム内の停滞を生んだ。采配、選手起用もことごとく裏目に出た。「(1年目は)我慢していたこともあった。来季はもっと選手に言おうと思っている」。反省から、春季キャンプでは選手を個別に食事に誘い、膝をつき合わせて会話した。開幕後も、練習中に選手と1対1で話し込んだ。打順や投手起用に関しても昨季は自らの意志を曲げなかったが、今季は打撃コーチ、投手コーチに任せるケースが増えた。歴史的な快進撃の陰には、自身の“変心”があった。

 “不変”だったのはゲームに臨む姿勢。ナイターが終わって自宅に戻ると、すぐに自室にこもりパソコンで他球団の全試合をチェック。マツダで試合がある日は選手より先に球場入り。スコアラーと入念に打ち合わせ、データを頭にたたき込んでゲームに臨んだ。

 現役時、3度の盗塁王、5年連続ゴールデン・グラブ賞など数々のタイトルを手にしたが、トロフィーなど記念の品は自宅に一つもない。「過去にしばられたくない」と監督初勝利のウィニングボールですら、すべて佐賀の実家の鮮魚店に送っている。だが、自身と、ナインの力が結実したこの試合のウィニングボールは宝物になることだろう。

 「ここは最終目標じゃない。CSもあるし、日本一が目標だから」。指揮官らしく、喜びに浸ることはなかった。だが、初体験の胴上げだけは「あれは気持ち良かったな」とぽつり。もう1度、あと2度―。緒方カープにはその権利がある。(角野 敬介)

最終更新:9月11日(日)14時41分

スポーツ報知

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TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。