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地味な「iPhone7」、アップルの停滞は部品メーカーに大きな打撃?

ニュースイッチ 9月11日(日)8時25分配信

スマホメーカーの勢力図は確実に変わりつつあるが・・

 新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)7」で世界を驚かせたのはアップルでなく、任天堂をはじめ他社とのコラボレーションだ。魅力的なコンテンツは皮肉にも、端末の革新の地味さを鮮明にした。アップルの停滞が続けば、部品を供給する日本メーカーは戦略を問われる。

 ティム・クック最高経営責任者(CEO)が「これまでで1番」と強調したように、iPhone7は優れた製品にはなった。画面サイズ4・7インチの「7」と同5・5インチの「7プラス」で展開する。光沢感のある黒など新色や、防塵・防水性能の追加、処理速度や画質も上がった。ただ、正常進化の範囲で、驚きや革新性は乏しい。

 7プラスに搭載された複眼カメラは、望遠ズーム機能やボケ味を出す目新しさがあるが、中国のファーウェイに先を越されている。

<「9―10月に向けて受注は上向く」>

 調査会社IDCがまとめた16年4―6月期の世界スマートフォン出荷台数は、首位の韓サムスンや3―5位の中華系スマホメーカーが台数とシェアを伸ばし、アップルは一人負け。iPhone7で流れを変えることは難しいかもしれない。

 日本の部品メーカーにとって、アップルの停滞は大きな打撃となる。各社は過度な1社依存からの脱却を図っているものの、16年3月期に日本電産は受注減少を受けて設備の減損損失を計上。太陽誘電など中華系スマホへの拡販が下支えする企業もあるが、スマホ市場の成長も鈍化しており、動向を注視する必要がある。

 停滞気味とはいえ、1モデル当たりの生産台数の多いiPhoneの新モデル発売は少なからず期待されている。村田製作所の藤田能孝副社長は「9―10月に向けて受注は上向く」と自信を示した。

 iPhone7の寄与に加え、同社が高シェアを持つ積層セラミックコンデンサー(MLCC)などは中国部品メーカーが不得意な領域。韓国や中華系スマホの増加や、高性能化に伴う部品点数の増加を享受しやすい。

 さらに、村田製は高周波(RF)スイッチ最大手の米ペレグリンセミコンダクターの買収や、小諸村田製作所(長野県小諸市)の新棟建設による開発加速で、スマホ向け技術の変化に備える。

 技術の変化で商機をつかむ部品もある。日本電産が提案する触覚デバイス用の精密小型モーターは、今後スマホの感圧式ホームボタンなどに利用が予想される。

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最終更新:9月11日(日)8時25分

ニュースイッチ