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大雨対策、危険と一体 安全管理は業者任せ

北海道新聞 9月11日(日)14時50分配信

 8月以降、道内を襲った大雨による死者4人のうち2人は、大雨対策に関わる業務中に事故に巻き込まれた。2人はそれぞれ国などの委託を受け、土砂崩れの警戒作業や氾濫した河川の水量調査にあたっていた。道民の安全を守る観点から危険な現場に赴く作業員がいる一方、その安全管理は委託先の業者任せとなっている実態も垣間見える。

「現場に行くのが怖い」

 「事故は決してひとごとではない」。釧路管内の60代の土木業者幹部は言う。道道などの維持管理や除雪を請け負っているといい、「このところ異常気象が増え、現場に行くのが怖いと思うことはある。仕事とはいえ作業員を出すのが心配になってくる」とこぼす。

 9日夜、根室管内羅臼町礼文町の国道で土砂崩れに巻き込まれ、車ごと海に落ちて死亡した羅臼町八木浜町の会社員増川勝彦さん(61)は、地元の建設会社に勤務。業務発注者の釧路開建などによると、この会社は国道335号の一部約19キロの維持管理業務を請け負っていた。増川さんは9日午後5時ごろから現場付近に車を止め、土砂崩れなどの監視にあたったという。

 現場付近は、8月下旬の大雨でも小規模な土砂崩れが相次ぎ、釧路開建は「現場周辺は注視が必要な場所だった」と説明する。現場に行く作業員の安全管理については「危険な場所で監視を続けることもある。どこでどう巡回するかなど、基準やルールは委託先に判断を任せている」と話す。

 だが、釧路管内の建設会社社長は「実際は役所や発注者の指示に従うしかない」と言う。大雨などの緊急時は、国や道、市町村からできるだけ現場に近い建設業者が道路や河川のパトロールを頼まれるといい、「私たちはあくまで受け身で、独自の出動基準はない。今回のような事故を防ぐ方法は思い浮かばない」。

北海道新聞

最終更新:9月11日(日)14時53分

北海道新聞

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