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タクシー運賃値下げ広まるか 業界は様子見の構え 青森地域、23日初乗り新制度

デーリー東北新聞社 9月11日(日)11時30分配信

 青森市を中心とする地域のタクシーに関して、初乗り運賃の新制度が23日から適用される。現行は小型車で620円か660円だが、最大で490円にまで引き下げることが可能だ。しかし、同市周辺の業界は採算ラインなどを念頭に、当面は様子見の構え。八戸市などの県南地方でも、今のところ引き下げに向けた動きは見えない。

地裁判決

 国土交通省東北運輸局は8月、青森地域で運賃の引き下げを認めることを決定。初乗り540円で営業する青森市の幸福タクシーが国を相手取った訴訟で、青森地裁が7月、国が初乗り運賃の上下幅を定める「公定幅運賃制度」は違法である―との判決を下したのがきっかけになった。

 青森市や平内町、蓬田村で構成する青森交通圏では現在、幸福タクシーを除く21法人が公定幅に従い620~660円で営業している。

 新運賃制度では、乗車から1・5キロまでであれば580円、1・114キロまでは490円に設定できる。上限は660円のまま。

 同市タクシー協会の珍田裕之会長(同市、珍田タクシー社長)は、初乗り運賃を巡る今後の動きについて、「下限割り事業者(幸福タクシー)が580~660円の公定幅に参入するかどうか、様子見することになるだろう」との認識を示す。

 運賃設定の見通しが立たない―とする一方で、現行の水準に関して「経営が成り立つぎりぎりの運賃」と指摘、引き下げによる事業者の共倒れを危惧する。

 日々ハンドルを握る乗務員も、引き下げ効果には懐疑的だ。青森駅で乗車待ちをしていた60代の男性運転手は「運賃が安くなるからといって、乗客が急に増えるわけではない。安くなればなるほど、われわれは首を絞められることになる」と不安を口にした。

余波懸念

 青森市周辺の動きに対し、県南地方のタクシー会社の多くは、仮に運賃が引き下げられたとしても、直接的な影響はないとの見方を示す。

 運賃についても、現状を維持するという考えが支配的だ。だが、青森市に本社を置き、県南地方でも営業する会社があることを踏まえ、あるタクシー会社の代表は「1社が値下げを始めると、その地域だけでなく周辺にも影響してくる」と余波を懸念する。

 一方、利用者はタクシー運賃をどのように受け止めているのか。八戸市の会社員の男性(44)は「会社の経営に影響し、行き過ぎた競争に発展する可能性もあるのだろうが、やはり安いに越したことはない」と話していた。

デーリー東北新聞社

最終更新:9月11日(日)11時30分

デーリー東北新聞社