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貨物駅に謎の「お不動さん」 神戸

神戸新聞NEXT 9月12日(月)11時35分配信

 JR神戸貨物ターミナル駅(神戸市須磨区大池町5)に小さなお堂がある。電車内から見え、以前から気になっていた。調べてみると、お堂は駅員らから「お不動さん」と呼ばれ、旧国鉄時代にさかのぼるという。そして年1回開かれている供養祭は、代々の駅長の引き継ぎ項目になっていた。

【写真】お堂に祭られている不動明王像

 同駅は2003年12月にオープン。1907(明治40)年に開業し、貿易港の陸上輸送を支えた神戸港駅の業務を受け継ぎ、神戸地区の鉄道貨物輸送の拠点施設になっている。

 お堂はもともと旧国鉄時代から神戸港駅舎近くにあり、小さな不動明王像が祭られていた。2003年の同駅廃止に伴い、神戸貨物ターミナル駅に移され、その際お堂が新築されたという。

 供養祭は、同駅長の引き継ぎ事項である大切な行事。毎年10月に山伏を呼んで執り行われる。駅員らも参列するが、小笠原肇駅長は「記録も残っておらず詳しいことは…」と明かす。

 JR貨物関西支社(大阪市北区)などによると、同じようなお堂は、吹田貨物ターミナル駅(大阪府吹田市)や姫路貨物駅(姫路市別所町)などにもあるという。同社総務部は「かつてヤード駅での仕事は人力で危険な面もあったため、事故やけが人、殉職者も多く、安全祈願のために不動尊を祭ったのでは」と推測する。

 「会社に神棚を設けたり、お札を貼ったりするでしょう。同じような慣行ちゃいますか」。そう話すのは、1972年入社で神戸港駅で通算30年以上勤務した駅員の男性(67)。入社以来44年、大きな事故やけがもないという。

 気になっていたお堂の成り立ちや経緯は不明だが、駅員の安全を見守っているのは間違いなさそうだ。(小西隆久)

最終更新:9月12日(月)11時45分

神戸新聞NEXT