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MRJのANA塗装試験機、初飛行17年初めに 初号機は9月米国へ

Aviation Wire 9月12日(月)12時25分配信

 三菱航空機は、MRJの飛行試験機5機のうち、ローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)の塗装を施した5号機(登録番号JA25MJ)の初飛行を、2017年初めにも実施する。機体の仕上がり状況によっては前倒しし、年末の初飛行を目指す。

◆ロシア上空通過権の許可待ち

 MRJは、当初は8月末までに飛行試験初号機(登録番号JA21MJ)を県営名古屋(小牧)空港からモーゼスレイクへフェリー(空輸)する予定だった。ところが、8月27日にフェリーフライトを実施した際、空調システムの左舷用監視装置に不具合が発生。給油する新千歳空港へ向かう際、出発地の小牧へ引き返した。

 不具合が発生した装置を交換後、地上試験を経て翌28日に再度フェリーフライトに向かったが、再び同じ箇所に不具合が発生。新千歳へ向かう途中の秋田上空で小牧へ引き返し、2日連続でフェリーフライトを断念した。

 9月9日には、12日ぶりに初号機が飛行試験を実施。午後0時14分に小牧を離陸し、1時間40分後の午後1時54分に戻った。初号機が国内で実施する飛行試験はすでに完了しており、9日のフライトでは機体の状態が正常であることを確認し、空調関係の問題は起きなかった。

 三菱航空機では、初号機のフェリーフライトを9月中に再び実施予定。飛行ルートは8月と同様、新千歳で給油後、ロシアのカムチャツカ半島、米国のアラスカを経て、モーゼスレイクへ向かう北回り。ロシアの上空を通過する許可を取得次第、出発する。今後は許可が下りるまでに飛行試験を数回実施する見通し。

◆5号機は国内試験

 現在の計画では5機の飛行試験機のうち、年内に4機をモーゼスレイクへ持ち込む。2号機(JA22MJ)は5月31日に初飛行に成功しており、9日も飛行試験を実施した。3号機(JA23MJ)と4号機(JA24MJ)はエンジンを始動させて実施する試験を進めており、地上走行試験を経て9月から10月にかけて初飛行にこぎ着ける見通し。

 ANA塗装の5号機は、8月20日に県営名古屋空港に隣接する最終組立工場へ移された。技術試験や機能試験を実施しており、早ければ年内にも初飛行する。

 MRJの飛行試験は2018年ごろまでを計画しており、5号機のみ国内で実施する。2018年前半には機体の安全性を証明する、国土交通省航空局(JCAB)による型式証明を取得する。量産初号機をANAを傘下に持つANAホールディングス(9202)へ引き渡すのは、2018年中ごろを予定している。

 米国へのフェリーフライトがずれ込む場合、飛行試験を計画通りにこなせなくなることで、再び納期が延期される可能性もある。ANAホールディングスは今年6月、MRJの納入が遅れていることから、ボンバルディアDHC-8-Q400型機(74席)を3機追加発注した。Q400で運航する路線の一部は、MRJ導入後に置き換えを計画している。

 MRJは8月31日に正式契約した米エアロリースの発注により、ANAや日本航空(JAL/JL、9201)など計7社から427機(確定発注233機、オプション170機、購入権24機)を受注している。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:9月12日(月)12時46分

Aviation Wire