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震災の原発事故で全村避難・福島県飯舘村に重岡作品

伊豆新聞 9月12日(月)13時19分配信

 伊東市の彫刻家重岡建治さん(80)が東日本大震災後、東京電力福島第1原発事故で全村避難を余儀なくされた福島県飯舘村から依頼を受け、制作したモニュメント「までいの心」が今夏、村民集いの場として開館した交流センター「ふれ愛館」の玄関脇に設置された。除幕式に出席した重岡さんは「飯舘の人の古里への強い思いを感じ、古里は大切なものだと改めて思った。いい仕事をさせてもらった」と感慨深げに話した。

 昨年、菅野典雄村長から直接依頼を受けた。重岡さんは「村長の古里を大切に思う気持ちに共感して、できるだけ協力したいと思った」と振り返る。

 モニュメントは「人の和」をテーマに、大人と子どもが手をつないで輪をつくる姿を表現したブロンズ像で、台座を含めて高さ2・3メートル、幅0・9メートル。1本の若木の上で2匹のハトが顔を合わせてハートの形をつくる像も添えた。「木が育つようにまちも育つ。2匹のハトで心も表した」という。「丁寧に」「心を込めて」「温かく包む」といった意味を持つ福島の方言「までい」を気に入り、タイトルに取り入れた。

 館内にも重岡さんの木彫7点が並び、さらに他の施設に木彫1点が設置された。若い頃の作品から、昨年彫ったばかりのものまであり「伊東以外で、自分の作品がまとまってあるところは飯舘だけ。自分にとっても飯舘が古里になった。これからも村のために自分にできることをしていきたい」と思いを語った。

 飯舘村は2011年4月下旬、計画的避難区域に指定され、全村避難となった。今年7月以降、役場の業務は一部を福島市内に残して村で再開、帰還に向けた長期宿泊も始まった。来年3月末で、一部を除き避難指示が解除される。

 【写説】交流センターに設置された「までいの心」の前で菅野村長(右)と一緒に記念撮影する重岡さん=福島県飯舘村

最終更新:9月12日(月)13時19分

伊豆新聞