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スタジオジブリ最新作がいよいよ公開! 監督&プロデューサーが語る

ぴあ映画生活 9月12日(月)10時58分配信

スタジオジブリ最新作『レッドタートル ある島の物語』がいよいよ公開となる。同社にとって、初の海外共同製作であり、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督にとっても、初の長編アニメ制作だ。チャレンジングなプロジェクトとも言えるが、鈴木敏夫プロデューサーは、「不安はまったくなかった」と言う。

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遡ること2006年。マイケル監督の短編映画『岸辺のふたり』を見た鈴木プロデューサーは、「彼の描く長編映画を見てみたい」と強く思い、監督に話をもちかけた。「あまりのうれしさに嘘かと思った」と話すマイケル監督は、「出逢ってすぐにフィーリングが合った高畑勲監督と一緒なら長編映画を制作してみたい」と快諾をし、高畑監督がアーティスティック・プロデューサーを務めることで企画が始まった。

『岸辺のふたり』では、たった8分間で、その上、台詞も用いず、ひとりの女性の一生を見事に描き出したマイケル監督。本作で描いたのは、孤島に漂流されたひとりの男の人生だった。短編には向かないからと、心の片隅に置いておいたテーマだったという。「ジブリさんからオファーを頂いて、すぐにこれにしようと思いました」マイケル監督から連絡を受けた鈴木プロデューサーも「ロビンソン・クルーソーものをマイケルが手がけるとどうなるんだろう、と思いましたね。予感として、ひとりの男の人生の物語になるだろうな、と思いました」と、心を躍らせたそうだ。

本作は人生の物語であると同時に、自然の物語でもある。正しく描き出すため、厳しい面からも目を反らせなかった。そのひとつに津波のシーンがある。このシーンを脚本で描いたのは、東日本大震災が起こる4年前だった。テレビで見た映像にショックを受けたマイケル監督は、『津波のシーンについて日本サイドの意見を聞きたい』と提案をしたそうだ。それに対し、鈴木プロデューサーを始め、スタジオジブリはそのまま行くべきだ、との指示を出した。「自然は美しいだけじゃなくて、当然恐ろしいところがある、それを丸ごと描くべきではないかと思っていたんです。マイケルは津波を軽々しく描いていなかった。地球そのものが生き物なんだ、って表す重要な場面だったんです。だから、この作品の中でも、それを描かなかったらちょっと違うんじゃないかなって気がしたんです」(鈴木プロデューサー)。

マイケル監督らしさを最大限引き出すため、本作でも台詞はない。鈴木プロデューサーは自信に満ち溢れた笑顔を見せ、こう話す。「僕が一番、台詞なしを推したんです。無音であることによって、自分で考えなければいけないでしょ。それが、この映画のエンターテイメントだと僕は思っています。高畑さんとも、これは一種自伝なんですかね、と話したくらい、ひとりの男の人生の物語がマイケルらしく描かれています」。「台詞を全部なくしてもお客さんはわかるよ、って言ってもらえた瞬間は、一番すっきりした瞬間でした」と、マイケル監督も満足気な表情をして見せた。

プロデューサーとして一番大切なことは、「監督がやりたいことを実現させること、最初から最後まで監督の味方になること」と、話す鈴木プロデューサーは、最後にこう付け加えた「プロデューサーって自分が見たいものをつくるんだよ」。第69回カンヌ映画祭でも観客を称揚させ、ある視点部門の特別賞に輝いたスタジオジブリ最新作が、ようやく日本でお披露目となる。

『レッドタートル ある島の物語』
9月17日(土) 全国ロードショー

取材・文・写真:小杉由布子

最終更新:9月12日(月)10時58分

ぴあ映画生活

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。