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3歳で父蒸発 アインシュタイン河井が語る“プレハブ小屋”生活

日刊ゲンダイDIGITAL 9月12日(月)9時26分配信

 今年1月、「第1回上方漫才協会大賞」で大賞を受賞した吉本興業期待の若手コンビ「アインシュタイン」。ツッコミ役の河井ゆずるさん(35)は母子家庭に育ち、苦労を重ねて芸人になった……。

「ちょっと買いモンに行ってくるわ」

 こう言い残してオトンが行方不明になったんは僕が3歳、弟は1歳になるかならんぐらい。それ以来、ずっと母子家庭でオトンには1回も会うたことないんです。

 大きなって聞いたら、オトンは夜の店とかいろいろ商売してて、オカンはスナックのママ。結婚したものの、オトンの女関係でよく揉めてたんで、半分追い出したようなもんらしいんです。

■パチンコで一攫千金を狙うも

 離婚後、オカンは実家や親戚に頼らんかった。まずは子供の面倒見ながら、生活費も稼がないかん! ってことで、有り金ハタいて大阪・天神橋筋商店街で喫茶店、始めたんです。朝7時オープンで夜7時まで。席数は20ほど。オカンも頑張った思いますよ。でも、ブレンドコーヒーが1杯280円。ライバル店も多いから儲けなんて知れてます。いつも貧乏でピーピーしてました。

 小学2年のクリスマス直前ですわ。オカンがいきなり、「サンタおれへんで」って言うんですよ。「プレゼント買う余裕ないから諦めや」ってことです。正直といえば正直やけど、子供にしてみたら夢も希望もない……。

 追い打ちをかけたのがバブル崩壊です。途端に店に閑古鳥が鳴き、近くの会社から注文があった会議用弁当、オードブルもどんどん減ってった。儲けるどころか、下手すると毎月赤字ですわ。

 そこでオカンが何を考えたかといえば、パチンコで一獲千金! 凄いでしょ。たまには勝つこともあったとは思いますけど、トータルじゃ負けるに決まってるやないですか。結局、ボロ負けして店終わってからバイトせないかんようになったんやから、ホンマ、本末転倒ですわ。

■プレハブ小屋は清掃道具の倉庫

 限界が来たんは、僕が17歳やった。住んでたオンボロマンションの家賃どころか、店の家賃も払われへん。ホームレス寸前やった。

 そうしたら、捨てる神あれば拾う神あり! 「心斎橋にある雑居ビルの管理人したら、そこの屋上に住める」って知人が紹介してくれたんです。まさに渡りに船ですわ。

 ただし、そこは清掃道具の倉庫。清掃人の休憩室を兼ねてたんで、1DKほどのプレハブ小屋。そやから壁も屋根もペッラペラのベニヤ板。夏はムチャクチャ暑くて冬は逆に外と変わらんくらい寒い。別棟の風呂場も最悪でね。バスタブだけで脱衣場がないんです。おまけにプレハブ小屋との間は囲いがないから、周囲のビルの高層階から丸見え。オカンもタオルを体に巻いて毎回ダッシュしてました。

 夏場のある熱帯夜。あまりに蒸し暑いんで、オカンがパンティー一丁、上半身ハダカで洗濯物干してたら、いきなり警察官がドヤドヤドヤッと。何ゴト? と思ったら、「ハダカのオバはんがいる」と110番通報があったって。オカンも人騒がせですわ、ホンマ。

 そうそう、台風の時に屋根がめくれたこともあったなぁ。それ見て、オカンが「フタが飛びよった」……。

 さすがに今は引っ越してネタにしてますけど、ホンマにドン底。せやから、早いとこ人気芸人になって親孝行したい、こう思ってます。

最終更新:9月12日(月)12時30分

日刊ゲンダイDIGITAL