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井上靖文学館、企画展始まる 「真田軍記」資料など展示

伊豆新聞 9月12日(月)13時31分配信

 長泉町東野の井上靖文学館で今月、企画展「真田軍記」が始まった。「真田軍記」の執筆資料をはじめ、同じ戦国時代の作品として武田の軍師・山本勘助を主人公とした「風林火山」、千利休の弟子の視点で自刃の謎に迫る「本覚坊遺文」、秀吉の側室・茶々の数奇な人生を描いた「淀どの日記」を紹介している。

 「真田軍記」は1955(昭和30)年、「小説新潮」に連載された「海野能登守自刃」「本多忠勝の女(むすめ)」「むしろの差物」「真田影武者」の四つの短編で構成。NHK大河ドラマ「真田丸」の放送にあわせ昨年12月、角川文庫から再版されている。

 企画展では、四つの短編のあらすじ、真田一族の相関図、年表、上田城古地図(初公開)、淀どの日記の手書き原稿などを展示した。

 井上は戦国時代、特に真田一族に関心が深く「戦国時代ほど人々の運命や生き方がくっきりと、あたかも月光に照らされた一本の川筋のように洗われて見える時代はない」「真田一族は作者の幼少時代の憧憬(しょうけい)であり、夢であった」といった言葉を残している。

 学芸員の徳山加陽さんは「真田父子を直接描くのではなく、周囲の視点から描いた作品。名もなき人たちの努力によって歴史がつくられるという井上の歴史観が表れている」と解説する。

 来年3月14日まで。入館料は大人500円。午前10時~午後5時。水曜日休館。問い合わせは同文学館〈電055(986)1771〉へ。

 【写説】井上の作品から真田一族を探る「真田軍記」展=長泉町の井上靖文学館

最終更新:9月12日(月)13時31分

伊豆新聞