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【オーストラリア】「日豪は総合的な経済連携を」 豪頭脳集団が提唱

NNA 9/12(月) 8:30配信

 オーストラリアと日本の関係は、両国の自由貿易協定(FTA)から大きく一歩踏み出し、「総合的な経済連携」に発展させる必要がある――。オーストラリア政府の豪日交流基金(AJF)の委託で、民間シンクタンクのオーストラリア・アンド・ジャパニーズ・エコノミック・インテリジェンス(AAJEI)の創設者であるマニュエル・パナジオトポロス氏らが報告書で提唱している。
 同報告書では、日本のオーストラリアに対する直接投資額が860億豪ドル(約6兆6,582億円)に上り、英国を抜いて米国に次ぐ2位の規模に躍り出たと説明。貿易や直接投資、資産運用投資、戦略的・制度的連携を通じ、両国が互いに関与を深めるべきだとしている。
 新たな投資関係としては、第三国での事業機会の模索を挙げた。例えば、オーストラリア子会社の醸造・乳製品大手ライオンが、親会社であるキリンホールディングスがアジアに持つ販売網を利用し、輸出を拡大することが可能だとしている。同様に、日本郵便は、傘下に収めたオーストラリアの運輸大手トール・ホールディングスに対し、アジアを含めたグローバルなロジスティクス網の拡張のための資金を提供していると述べた。
 また過去数年間で、小売りチェーンのユニクロや無印良品(MUJI)、住宅建設の積水ハウスや大和ハウスなど、日本からの直接投資が不動産や資源、農業にとどまらず、幅広い分野に広がっているとした。
 同報告書ではまた、三井物産などの商事・投資会社がオーストラリアの産業開発で引き続き主要な役割を占めると指摘。日本の銀行によるオーストラリア企業への融資も大きく拡大し、世界金融危機によって生じた外資系銀行の市場撤退の穴を埋めていると述べている。
 
 ■中国の潜在的脅威を示唆
 
 同報告書では、オーストラリアと日本の戦略的関係の重要性も強調されている。地政学と経済、価値体系は密接に関連していると指摘した上で、経済関係の基盤が急速に、また破滅的に変化する可能性を秘めていると述べ、名指しこそしなかったものの、暗に中国の存在を示唆。オーストラリアと日本が緊密に連携することで、米国の域内のプレゼンスを高めることができるとしている。
 パナジオトポロス氏らが新たに作成したオーストラリアと各国の「economic engagement(経済的関与)」の統計では、米国が27%でトップ。これに英国の11%、日本の8%が続いた。中国とオランダ、シンガポールは各3%だった。
 同氏は、日本が3位となっている理由について、オーストラリアの対日本投資が不足しているためと説明している。9日付オーストラリアンが伝えた。

最終更新:9/12(月) 8:30

NNA