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200kgの鉄筋を楽々運べる巨大な“ロボット右手”、作業人数を半分に

スマートジャパン 9月12日(月)6時10分配信

 清水建設、アクティブリンク、エスシー・マシーナリの3社はこのほど、国土交通省のi-Construction施策に沿った建設現場の生産性向上を目的に、重量鉄筋の配筋作業をアシストするロボットアーム型の作業支援ロボット「配筋アシストロボ」を共同開発した。従来、6~7人を要していた重量200キログラム級の重量鉄筋の配筋作業を無理なく3人で効率的に行える見込みだ。同ロボットは現在、東京外環自動車道大和田工事において、稼働テストを実施している。清水建設ではこの稼働テストをはじめとした実証実験を行い、今後道路トンネルなど地下構造物の工事現場などへ導入を目指す(図1)。

●“職人の腕”を支援する

 建設業界では、熟練工の大量離職時代が控えており、現場の生産性向上技術の開発・普及が急務となっている。国土交通省なども建設作業に必要な調査・測量、設計、施工、検査および維持管理・更新のあらゆるプロセスにICT(情報通信技術)を取り入れる「i-Construction」を推進するなど、生産性向上へさまざまな取り組みを進めている状況である。

 これの流れから、清水建設では、ロボットテクノロジーに着目し、パワーアシスト技術で先行するパナソニックのグループ会社であるアクティブリンクと、建設機械の開発を手掛けるエスシー・マシーナリとともに、人間の右腕の機能をスケールアップしてロボット化した同製品を共同開発した。開発は清水建設とエスシー・マシーナリが建設現場のニーズ抽出、プロジェクトの企画立案、実証試験、アクティブリンクが設計、製作を担当した。

 清水建設 土木技術本部 開発機械部長の金丸清人氏は製品開発のコンセプトを「建設現場のロボットの在り方について議論を重ねてきた。その結果、現場の作業において、職人の腕に負うところが多いということがポイントとなった。職人の技術を生かしながら、負担の大きな作業をアシストするところがこのロボットの根幹となるコンセプトだ」と述べている。

●人間の体の構造を模した配筋アシストロボ

 配筋アシストロボは、人間の右肩、上腕、肘、下腕、手にそれぞれ相当する「肩旋回部」「第一アーム」「肘旋回部」「第二アーム」「把持部」の5パーツと制御盤から構成されている。腕全体の動きをアシストするサーボモーターを肩旋回部と肘旋回部、第二アームに組み込むことで、人間の右腕に近い動作性を実現する(図2)。

 配筋作業時には、配筋アシストロボをH型鋼などの鉄骨柱に固定した後、把持部で重量鉄筋をつかみ、昇降ボタンを使って持ち上げる。その後は、作業員が片手で握った操作グリップの動きに合わせてサーボモーターが稼働する。アームが操作者の意思に沿って直感的かつ滑らかに動き、難なく配筋できるため、重量鉄筋の配筋に必要な作業員が操作者1人、鉄筋の介添え役2人の計3人と従来の半数以下で済む。

 ロボット操作は、配筋作業経験に関係なく、誰でも簡単に行うことが可能だ。現場の作業員によると「重い鉄筋を5~6回運ぶと疲れがでてくるが、このロボットを使うと、それが回避されて順調に作業を進められる」と評価している。

 なお、配筋アシストロボの作業半径は約5メートル。作業の進行に合わせて設置替えする必要があるが、各パーツの重量を約40~60キログラムに抑え、かつシンプルな組み立て方式を採用しているため、作業員3人程度の手作業により20分程度で解体・設置ができる。

最終更新:9月12日(月)6時10分

スマートジャパン