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あまちゃん聖地「喫茶リアス」モデル店営業再開へ

日刊スポーツ 9月12日(月)10時19分配信

<全国の話題を追う 岩手県久慈市発>

 台風被害で休業していた「あまちゃん」の聖地が、再び立ち上がろうとしている。台風10号の大雨で浸水した岩手県久慈市の飲食店「喫茶モカ」が、早ければ19日にも営業を再開する。13年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」に登場した喫茶店のモデルで、多くのファンが訪れる定番スポット。8月30日の記録的な豪雨で、ドラマの小道具などを展示する「あまちゃんハウス」は壊滅的な被害を受けたが、冠水した中心市街地は少しずつ復旧している。

【写真】新装したばかりの「あまちゃんハウス」壊滅的被害

 10日昼、喫茶モカは清掃の真っ最中だった。店内に入ると、壁面には「あまちゃん」出演俳優のサイン入り色紙がズラリ。小泉今日子、渡辺えり、小池徹平、片桐はいり…。気になったのは、下4分の3が消えたサインだった。店主の樋沢正明さん(68)は「NHKの方に書いてもらったもの。水性ペンだったから、浸水で流れてしまった」と説明。床から約1メートルも上がった水位が、色紙ににじんでいた。

 8月30日の台風上陸で、記録的な豪雨が岩手県を襲った。久慈駅から徒歩3分の同店にも川からあふれた大量の水が流れ込んだ。NHKの美術スタッフがドラマ準備で頻繁に訪れ、劇中の「軽食&喫茶リアス」のモデルになった店内は泥にまみれた。営業再開には相当の自己負担が必要だが、樋沢さんに迷いはなかった。

 「お金の問題ではない。あまちゃんのファンが今でも集まるところだから、必ず再開する。20日前後の祝日には営業を始めたい」

 19日の敬老の日か、22日の秋分の日を再開日の候補にしている。被災後、ボランティアで久慈市を訪れたファンが同店に立ち寄り、励ましてくれたという。

 劇中では天野春子(小泉)が北三陸駅舎内の「リアス」で働き、娘の天野アキ(能年玲奈)ら登場人物がこの店に集まった。13年末の紅白歌合戦では「リアス」のセットが再現され、「第157回 おら紅白出るど!」の特別編で出演者が勢ぞろいした。

 久慈駅前の「あまちゃんハウス」では、約300点の展示物の9割が泥をかぶり、捨てるしかない状況。再開のめどは立っていない。

 ファンの聖地として、喫茶モカの存在感が増しそうだ。「床は10万円かけてきれいにしたし、冷蔵庫も新品を2つ買い直した。創業48年の喫茶店で、何歳までできるか分からないけど、頑張るよ」と樋沢さん。劇中で沿岸の漁協を改装してオープンし、津波を浴びたイベント施設「海女カフェ」のように、再建へ歩んでいる。【柴田寛人】

 ◆久慈市の被災状況 台風10号による大雨で久慈川と長内川が氾濫。2つの川に挟まれた中心市街地が、東西約2キロにわたって浸水した。最大の浸水の深さは2・2メートル。山間部を含めた家屋被害は1400棟以上に達し、沿岸が津波を浴びた東日本大震災の1248棟を上回った。死者は1人で、長内川上流の山根町に住む89歳女性。被災直後は、同町と山形町で121世帯、253人が孤立した。

 ◆「あまちゃん」 13年上半期のNHK連続テレビ小説。「地元アイドルによる村おこし」というテーマで、宮藤官九郎が脚本を担当。岩手県久慈市の「北限の海女」や三陸鉄道北リアス線を題材に定めた。天野アキ(能年玲奈)が夏休み、母春子(小泉今日子)に連れられ、東京から北三陸を訪れて、祖母の夏(宮本信子)と出会う。現役の海女という夏の姿にひかれ、アキは海女になると決意する。平均視聴率が20%を超え、市内のロケ地を訪問する観光客が急増した。

最終更新:9月12日(月)11時28分

日刊スポーツ

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