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<工藤会襲撃被害者>組幹部を賠償提訴検討 使用者責任問う

毎日新聞 9月12日(月)22時22分配信

 特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)が関与したとされる一連の一般人襲撃事件で、被害者の一部が同会トップの野村悟被告(69)=組織犯罪処罰法違反などで起訴=ら幹部を相手に、暴力団対策法に基づく賠償請求訴訟の提起を検討していることが関係者への取材で分かった。

 福岡県弁護士会の民事介入暴力対策委員会(民暴委)が提訴の可能性を研究するプロジェクトチーム(PT)を設置し、被害者の一部と協議している。実現すれば多額の賠償金を求められるため、最高幹部らの逮捕が相次ぐ工藤会に新たな打撃を与えそうだ。

 福岡県警が一連の襲撃事件で工藤会トップらを逮捕した「頂上作戦」から11日で2年。工藤会トップの使用者責任を問う動きが明らかになるのは初めて。

 2008年施行の改正暴力団対策法は、傘下の組員が「暴力団の威力を利用した資金獲得行為」で他人の生命や財産を侵害した場合、暴力団トップも賠償責任を負うと規定する。末端組員による犯罪被害者が指定暴力団トップらを相手取った訴訟は全国で相次いでいるが、工藤会に関しては被害者が報復を恐れるなどして提訴されていなかった。

 関係者によると、民暴委に所属する一部の弁護士が頂上作戦の開始後にPTを設置した。野村被告ら幹部の公判は開始の見通しが立っておらず、判決で襲撃事件への関与が確定するまでに賠償請求権の時効(3年)を迎える可能性もある。このため、関与を認める組員について被害者参加制度に基づき捜査機関に証拠開示を求め、襲撃事件への関与を明らかにした上で提訴に持ち込みたい考えだ。

最終更新:9月12日(月)22時22分

毎日新聞