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稀勢の里、“綱取り0%”回避…横審委員長「まだ続いている」

スポーツ報知 9月13日(火)6時4分配信

◆大相撲秋場所2日目 ○稀勢の里(押し出し)栃煌山●(12日・両国国技館)

 3場所連続での綱取りに挑む東大関・稀勢の里(30)=田子ノ浦=が横綱昇進確率0%の危機を免れた

 。西小結・栃煌山(29)=春日野=を下して今場所初白星。1909年の優勝制度発足後、連敗スタートの力士が優勝した例はなく、昇進に初Vが必要な大関がデータ上でもピンチを脱した。左アキレス腱(けん)断裂で2連続休場し、十両に転落した安美錦(37)=伊勢ケ浜=も復帰後1勝を飾った。

 絶対に負けられない一番で、稀勢の里が地力を見せた。立ち合いから得意の左がさく裂。おっつけて栃煌山に圧力を掛け続けた。一度は外されたが、焦らない。再び左をおっつけて相手の上体を起こすと、もろ手で危なげなく押し出した。

 負ければ綱取り成功率0%の崖っぷちだった。優勝制度が始まった1909年以降、連敗発進から優勝した力士は誰もいない。加えて栃煌山は対戦のあった過去3度の綱取り場所で全敗していた天敵だった。不吉なデータを払拭する白星に「良かったと思います」と自画自賛した。

 2日続けて観戦に訪れた横綱審議委員会の守屋秀繁委員長(75)も手のひらを返さざるを得なかった。「昨日、どうしてああいう相撲が取れなかったのかな。今日は徹底的に褒めます。落ち着いていた。昨日、今日と同じ相撲を取ってくれさえすれば日本国民がみんな喜ぶ」と絶賛。初日の黒星後には綱取り消滅も口にしていたが「私の(厳しい)言葉で奮起してくれたらありがたい。まだ綱取りは続いていると思います」と綱取り継続を宣言した。

 稀勢の里には好きな競走馬がいる。98年にデビュー4戦目でG1を制した後に骨折し、その後低迷が続くも6歳で安田記念(G1)を制して復活を遂げたアドマイヤコジーンだ。その歩みは横綱昇進に届きそうで届かない自らと重なる。この日の朝稽古後、アドマイヤコジーンもデビュー戦で1着を外したと聞かされると「これから、まただね」と苦笑いした。取組後にも、自らに言い聞かすように「まあ、ここからでしょ」とつぶやいた。(秦 雄太郎)

最終更新:9月13日(火)20時41分

スポーツ報知