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工藤会「鉄の結束」に異変 2人の有力組長が突然辞任、金策追われ

西日本新聞 9月12日(月)10時43分配信

 福岡県警の「工藤会壊滅作戦」が始まって2年。総裁の野村悟被告(69)=殺人罪などで起訴=ら幹部の裁判が長期化するなか「鉄の結束」と言われた組織に目に見える異変が生じている。組織は弱体化、資金源のみかじめ料の徴収も厳しくなっている。

【画像】現在の工藤会の組織図

 7月、同会の意思決定機関とされる執行部を2人の有力組長が突然辞任。組織内部に大きな動揺が広がった。「これまでにない事態だ」。ある組関係者は驚きを隠さない。

捜査関係者もその真意をいぶかる

 辞任したのは野村被告の先代、溝下秀男前総裁の出身母体で2次団体「極政組」と、その流れをくむ組の2組長。主力だった野村被告の出身母体「田中組」組員に摘発が集中する中、「塀の外」では存在感の大きい組だけに、組織内部だけではなく捜査関係者もその真意をいぶかる。

 組関係者の一人は「足元を固めることに必死で、会全体の運営に関わる余裕がなくなってきているのではないか」と推測する。

 同会の弱体化が進む要因として、飲食店や建設業者などから得ていたみかじめ料の徴収が厳しくなっている事情が挙げられる。

「みな金策に必死だ」

 壊滅作戦後、県警に被害を訴える業者が増え、みかじめ料に絡む摘発はこの1年で前年比7倍超の15件に上る。北九州市内の建設業者は「会と付き合ってもメリットはなく、金を流す業者は減った」。ある組関係者は「徴収していた金が半分に落ち込んだ。みな金策に必死だ」と打ち明ける。

 組織への上納金の額は以前と同じで、滞納して組長を名乗れなくなる者も出てきているという。関係者は「単に金もうけしたいと思っている者には離脱するやつもいる。長引く裁判が終わるまで耐えしのぶしかない」とつぶやいた。

取り調べなどで「本当はやめたい」と吐露するケースが増えた

 10年ほど工藤会捜査に携わる40代の捜査員も同会の弱体化を実感している。

 反警察の姿勢を崩さなかった組員が、取り調べなどで「小間使いさせられた揚げ句に良い思いもできない」「本当はやめたい」と吐露するケースが増えたという。

 捜査員は壊滅作戦の一環で組員1人を離脱させた。企業の面接に付き添い、就労先に向かう夜行バスに乗り込むところまで見送ったという。家族とも連絡を取り合い、組織からの嫌がらせに配慮しているという。「捜査の過程でも離脱を望む者がいれば支援できないかと心掛けている」

離脱組員を雇う福岡県内の協力雇用主は700社

 離脱者の増加に伴い、福岡など17都府県の警察が就職先探しを広域でサポートする制度を本年度から始めた。NPO法人「県就労支援事業者機構」(福岡市)によると、離脱組員を雇う県内の協力雇用主は700社あり、6年前の7倍だ。

 ただ、離脱組員を取り巻く環境は依然厳しい。北九州市の市内企業へのアンケートでは、8割が「元組員を雇用したくない」と回答。うち4割が「雇うと社会的非難を受ける可能性がある」を理由に挙げた。

 同機構の北崎秀男事務局長は「離脱と就労支援は全国的に緒に就いたばかり。成功事例を市民に広く知ってもらい、理解を求めることが大切だ」と話した。

西日本新聞社

最終更新:9月12日(月)12時56分

西日本新聞

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