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SUN企画・山口鋼業など、還元スラグの人工石化技術を開発

鉄鋼新聞 9/12(月) 6:00配信

 電気炉系スラグに関する技術開発を手掛けるSUN企画(本社・愛知県名古屋市、社長・宇対瀬強一氏)はこのほど、還元精錬で生成される還元スラグを人工石化する技術を開発した。同技術は電炉小棒メーカーの山口鋼業(本社・岐阜県岐阜市、社長・山口浩之介氏)と製鋼設備メーカーのニッコー(本社・兵庫県神戸市、社長・有働英司氏)との共同開発。製造方法と鋳型の特許も3社で取得した。これまで処理方法が確立されていなかった還元スラグを、無害かつ幅広い用途に利用可能な人工石材とする技術が開発されたことは、電炉メーカーにとって還元スラグの有価販売を通じたコストの大幅低減や環境トラブル防止など抜本的な課題解決につながると期待される。

 今回3社が共同で開発した還元スラグを人工石化する方法は、還元スラグの温度を1380~1410度に2時間から4時間保持した上で、1時間当たり10~20度のピッチで400度になるまで冷却するもの。超徐冷に冷却を制御することで、メルウィナイト(カルシウム3MgSi2O8)およびメリライト(カルシウム2{Al,Mg}{Al,Si}2O7)相を主鉱物相とする強固な鉱物相を形成することができる。
 製造方法の特許番号は「5851456」(出願番号2013-167831)。2015年12月11日付で取得した。
 また、還元スラグを保温するための鋳型(容器)も独自に開発した。鋳型は本体と外枠が円すい形の鋼板製容器で、本体と外枠との間に耐火物を挟んだ構造。本体上部をふさぐふたを備え、外に熱を伝えにくくなっている。鋳型の特許番号は「5952444」(出願番号2015-028692)。16年6月17日付で取得した。
 今後はニッコーが鋳型の販売を含め、人工石化の技術を電炉メーカーに普及させていく。普及を優先するため、特許料は安価に設定した。
 電気炉系スラグには酸化精錬で生じる酸化スラグと、還元精錬で生じる還元スラグがある。生成量は電炉鋼1トン当たり酸化スラグが70キログラム、還元スラグが40キログラム。電気炉酸化スラグはコンクリート用骨材として03年にJIS化され、05年度にはグリーン購入法に基づく特定調達品目に指定されている。
 一方、還元スラグは酸化スラグに混ぜてエージングした上で、下層路盤材とするのが一般的な処理方法。ただ、費用や環境面で課題があるとされていた。今回開発された人工石化技術により、還元スラグを環境省の最も厳しい安全基準にもかなう人工石材とすることにより、還元スラグの用途が大きく広がることになる。

最終更新:9/12(月) 6:00

鉄鋼新聞