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現行耐震基準「妥当」 大幅な改定は見送られる方向 国交省委 熊本地震の被害分析

西日本新聞 9月12日(月)11時24分配信

 熊本地震での建物被害の原因を分析している国土交通省の有識者委員会は、2000年に強化した現行の建築基準法の耐震基準について「おおむね妥当」と評価する方針を固めた。震度7が連続して被害が最も激しかった熊本県益城町で、同年以降に建築された住宅が7棟倒壊したものの、詳細な分析で施工不備などが主な要因と推定されたため。国交省は、有識者委が12日にまとめる報告書を踏まえて耐震基準の見直しが必要か検討するが、大幅な改定は見送られる方向だ。

 日本建築学会などが益城町で実施した木造住宅の被害調査(対象1955棟)では、1981年以前に建てられた「旧耐震基準」の745棟は、約3割が倒壊し、2割近くが傾くなど大破。「新耐震基準」が導入された81~00年の884棟では1割近くが倒壊し、大破が1割と古い建物ほど大きな被害が目立った。

 一方で、新耐震基準が強化された00年以降の326棟は、倒壊が7棟(2%)、大破が4%にとどまった。3割以上は軽微から中程度の損壊で、6割が無被害だった。81年以降の新耐震基準は、震度6強以上でも人命が守られるように倒壊を回避するのが目的だ。阪神大震災を踏まえた00年の基準改定では、柱の接合方法や壁の配置に関する規定が厳格化された。

 被害分析に携わった複数の研究者は「00年以降で倒壊した住宅は、設計や施工などの不備で基準を満たしていなかったのがほとんど」との見解で一致。国交省も現行の基準が有効だったと判断する見通しだ。

 ただ、81~00年の木造住宅は被害が大きかった。有識者委は、接合が不十分など基準が徹底されていなかったとみており、耐震診断や改修の支援などの対策が求められそうだ。

西日本新聞社

最終更新:9月12日(月)11時24分

西日本新聞