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日本冶金、9月契約もニッケル系ステンレス鋼板5000円値上げ

鉄鋼新聞 9/12(月) 6:00配信

 日本冶金工業は9月契約から店売りニッケル系ステンレス鋼板価格(SUS304種)を5千円値上げする。2カ月連続の値上げで合計の上げ幅は1万円。新日鉄住金ステンレス、日新製鋼も8、9月契約(日新製鋼は8月契約)で店売り値上げを表明済み。合金原料高を背景にニッケル系ステンレス鋼板の国内大手3社の1万円値上げが出そろったことを受け、市中では今月帳破明けから10月にかけて売値への転嫁を図る動きが広がりそうだ。

 ニッケル系ステンレス冷延薄板市況が上伸すれば、ほぼ2年ぶりとなる。
 一貫3社の値上げが出そろったのは製造コストの大半を占めるクロム、ニッケル原料コストが上昇したため。国内市場では店売り・中小ユーザー関係はいまひとつ振るわないが、大手ヒモ付き関係が堅調で、各社固有の事情もありメーカーの生産はかなりタイト化している。かねて収益改善を課題としていた一貫3社は原料コスト上昇で採算が一段と圧迫されており、需給バランスも考慮して値上げに踏み切っている。
 合金原料高の影響はヒモ付きも同様。4半期単位や半年単位のアロイ・サーチャージ方式(合金原料価格スライド制)を適用しているヒモ付き取引は別として、都度交渉や市況連動性のある値決めをしているヒモ付きユーザーに対しても、店売りと同様に値上げを要請し、「了解を得られ始めている」(新日鉄住金ステンレス)という。
 ニッケル系ステンレス冷薄市況は7、8月までほぼ1年間にわたり弱含み推移した。製販双方が価格水準の安定化に努め、安売り競争が過熱する事態は避けられたが、原料価格の低下を背景にメーカー販価も市況も下落した。
 製品価格が原料価格の影響を強く受けるのはステンレス産業の宿命だが、数年前のように価格変動局面で先行買いや買い控えが目立つことはなくなっている。市中では「仕入れ値に応じた価格で販売する」(扱い筋)姿勢が目立ち、店売り最大手の阪和工材が9月帳破明けからの1万円値上げを表明するなど、市中でもメーカー値上げ転嫁のムードは強まりつつある。
 日本冶金、日新製鋼が表明したのはニッケル系鋼板(SUS304種)の値上げだが、クロム系薄板もニッケル系薄板とほぼ同様の状況となっている。

最終更新:9/12(月) 6:00

鉄鋼新聞

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