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【あの時・ホーナー旋風】(3)2年連続3冠王バースが小さく見える存在感

スポーツ報知 9月12日(月)15時30分配信

■ウェルカム・トゥ・ジャパン!

 来日初打席は四球だった。一塁へ歩いたホーナーに、優しく言葉をかける男がいた。バースだ。「ウェルカム・トゥ・ジャパン!」。87年5月5日の阪神戦。神宮のナイター照明を浴びながら、2人のスターが交わった。バースは前年、打率3割8分9厘をマークし、2年連続のセ3冠王に輝いたばかり。日本のNO1外国人選手に君臨していた。それでも―。ホーナーの通訳を務めていた中島国章は、その瞬間を振り返る。

 「あの時、バースが小さく見えた。バースもオーラはあるけど、ホーナーは全然違った。僕だけじゃない。みんなに聞いても『バースが小さく見えるなあ』と言っていたもんですよ」

 中島はその夜、バースと阪神投手のキーオに声を掛け、紀尾井町にあるニューオータニのバーで酒席を開いた。ヤクルトのレオンも合流した。ホーナーは異国での緊張から放たれ、上機嫌でビールを流し込んだ。

 「日本で、窮屈にさせたくなかった。試合を離れたら、みんなでワイワイ騒ごうって。そしたらね、ホーナーはキップがいい。助っ人全員の分、すべて自分で払っちゃう。請求書をスッと自分で取っていたね」

■水面下での場外戦

 来日から4試合で11打数7安打6本塁打の大爆発。神宮には超満員の観衆が殺到し、チームも勝ちだした。絶大な訴求力を広告業界が放っておくはずがない。CM第1弾はサントリービール。水面下ではバースとの場外戦が展開されていた。

 「最初はバースにオファーがあった。進行していた矢先にホーナー旋風が吹き荒れたものだから、サントリーが乗り換えちゃって。バースは『俺の話だったのに…』とこぼしていたよ。ホーナーには5000万円を出すという話で、直接本人に話がいって。当然OKするよね。そしたら松園オーナーがNGで。『バカ野郎。飲料はウチと競合するからダメだ。説得しろ!』と。ホーナーは乗り気なのに…」

 中島は米国の代理人、バッキー・ウォイに国際電話で協力を求めた。返事は、つれなかった。「5000万円に代わるヤクルトのCMがあるなら、話は聞くよ。ないなら無理だ。NGならば米国に帰っちゃうと、松園オーナーに伝えてくれ」

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最終更新:9月12日(月)15時32分

スポーツ報知

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