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カープ支えた「日南の母」 他界2選手にV報告

西日本新聞 9月12日(月)14時22分配信

 25年ぶりにセ・リーグ優勝を果たしたプロ野球広島東洋カープ。1963年以来のキャンプ地、宮崎県日南市の日南第一ホテル従業員井上たつえさん(66)は、待ちわびた歓喜を志半ばで旅立った2人の名選手にまず伝えた。津田恒実さんと木村拓也さん。宿舎の世話役として約40年にわたり交流し、選手から「日南の母」と慕われる井上さんは、先輩たちの背中を追う「若鯉(ごい)」の成長に目を細めた。

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 津田さんは「炎のストッパー」と呼ばれ、闘志あふれる姿が人気だったが、1993年、脳腫瘍に侵され32歳で他界した。チームが前回優勝した91年は、津田さんが広島市民球場で生涯最後の登板をした年だった。「冗談を言い、私の背中をぽーんとたたく、ちゃめっ気があった」と懐かしむ。「誰にでも愛された人。25年ぶりの優勝をきっと喜んでいると思う」

 木村さんは宮崎市出身で広島や巨人で活躍。巨人コーチ時代の2010年4月、マツダスタジアムでのノック中にくも膜下出血で倒れ、37歳で亡くなった。「やさしくてまじめ。『お母ちゃん』と呼んでくれていた」。木村さんが亡くなった翌年、宿舎で預かっていた枕を両親に届けた。

「2人も天国から見守っていると思う」

 広島の選手たちとは27歳からの付き合い。子どもの写真を見せられたり、結婚や出産、再就職などの報告を受けたり。練習中にコーチに怒鳴られ、泣きだす新人選手を励ますこともあった。昨年9月には本拠地マツダスタジアムの始球式に招かれ、「息子」たちを前に晴れ舞台を踏んだ。

 10日夜、優勝が決まると選手たちに「おめでとう」とLINE(ライン)で祝福のメッセージを送信。「ありがとう」「まだまだこれから頑張るよ」と返信が続々と届いたという。「優勝を喜ぶ選手たちの姿にじーんときた。2人も天国から見守っていると思う。日本一になって日南での優勝パレードを、ぜひ実現してほしい」

=2016/09/12付 西日本新聞夕刊=

西日本新聞社

最終更新:9月12日(月)16時44分

西日本新聞

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