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鉄も美術品も買いまくる 大戦前の船の見込み生産が的中 松方幸次郎(上)

THE PAGE 9月16日(金)15時0分配信 (有料記事)

 川崎造船所(現、川崎重工業)の初代社長を務めた松方幸次郎は、欧州大戦を契機に海外からも注目される経営者となりました。また欧州から買い集めた美術品のコレクターとしても知られています。川崎造船所のほか11社の役員を務めた松方はどのような投資家人生を歩んだのでしょうか? 市場経済研究所の鍋島高明さんが解説します。


  パリやロンドンでも話題 際立つ大胆な買いっぷり

 松方幸次郎が32年間にわたって社長を務めた川崎造船所は一度は破綻したが、川崎重工と名を改め、隆々と21世紀に生きる。また彼が欧州で買い集めた絵画、彫刻、浮世絵など松方コレクションは東京国立博物館や国立西洋美術館の至宝とされる。松方は神戸を拠点に名を成した経済人としてしばしば鈴木商店の金子直吉と並び称せられる。2人はそろって無類の強気派で、市場用語でいえばブル(Bull)、牡牛さながら攻めまくった。

 大正3年7月、欧州大戦が勃発すると、松方は幹部を社長室へ集めてこう命じた。

 「これは世界大戦にまで広がる。われわれはこの際、思い切り多くの船を造らなければならない。諸君! 鉄があったら売り主の言い値で片っ端から買いたまえ。素早くやれ。川崎が鉄を買い集めているという噂が広がるまでに買えるだけ買いたまえ」

 松方の買いっぷりはロンドンやパリでも際立ったようで、そのころ鈴木商店ロンドン支店長だった高畑誠一(のちに日商会長)が述懐している。

 「何十点もごっそり買って、ストックボートでもうけた金をばらまく。絵のほか、彫刻、骨董品も代理人任せで買いまくる。それはおうような買い方だった。代金の支払い、本社との連絡など私は川崎造船所のロンドン駐在員兼松方秘書みたいなものでした」 本文:4,103文字 この記事の続きをお読みいただくには、THE PAGE プラスの購入が必要です。

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最終更新:9月20日(火)10時26分

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