ここから本文です

『マフィア III』2Kの開発トップ、デンビー・グレイス氏に聞く! 注力したのは魅力的なキャラクター作り

ファミ通.com 9/13(火) 0:02配信

文・取材:編集部 古屋陽一、取材:編集部 工藤エイム、撮影:カメラマン 小森大輔

●リンカーン・クレイのキャラクター造形で注力したポイントは?
 2Kから10月27日発売予定のオープンワールドのアクション・アドベンチャー『マフィア III』。東京ゲームショウ 2016開催に先駆けて、取材陣を招いてのハンズオンイベントが実施された。ハンズオンのインプレッションに関しては、後日改めてお送りするとして、ここでは、2Kの開発を取り仕切るデンビー・グレイス氏へのインタビューの模様をお届けする。

[関連記事]『マフィア III』の最新版をニューオリンズの地でプレイ 世界観やストーリーなど、あまりにも濃密な1作【動画あり】


――2Kでは、『マフィア III』に相当注力していますが、会社を代表するIPとして期待するところは大きい?

デンビー クライムアクションゲームそのものがスケールが大きいので、『マフィア III』はほかの2Kのタイトルと比べても規模の大きいものとなっています。『マフィア』というフランチャイズそのものにも、12年~15年程度時間を費やしています。『マフィア III』の特徴は、ストーリー重視であるということと、オープンワールドであるということです。ストーリー重視ということでいうと、2Kにもほかにもタイトルがあるのですが、ひときわリッチな体験をもたらすタイトルになっています。オープンワールドのゲームに関しても、ほかにファンが多いジャンルになっているので、そのふたつを兼ねるという意味でも、『マフィア III』は大切なタイトルですね。

――ストーリー重視やオープンワールドということで、いまの時代でユーザーがもっとも求めているものが『マフィア III』にはあるということですね?

デンビー そのとおりです。私もいちゲームファンとして、個人的にはその意見に賛同できます。ユーザーさんは強いストーリーを楽しみたいものですし、あと、自分で選べるという要素も大きいかと思います。2Kでは、“Say yes to player”というのと、“Every player’s story is unique”ということを謳っているのですが、2Kでは、世界中のプレイヤーにふたつと同じストーリーがないということを重視しています。ユーザーさんがそういうものをお求めになっているとは思いますね。

――『マフィア III』がユーザーのニーズに応えるゲームだとして、どの点に注力して開発をしたのですか?

デンビー いちばんは、ストーリーに付随しての魅力的なキャラクターを作ることです。キャラクターの造形には相当苦労しています。あと、前作からと比べて、オープンワールド性をすごく高めています。プレイヤー自身が選べてもらえるレベルなども、相当バラエティーに富んだものになっています。まあ何といってもストーリーが大きなポイントになっていますね。

――『マフィア III』のストーリーがすごいということは実感するところではありますが、「こんなふうに注力しているからすごい」といった点などありましたら。

デンビー やはり、ストーリーに付随してのキャラクターに尽きますね。主人公のリンカーン・クレイに関しては、登場した瞬間からディープなキャラクターであることがおわかりいただけると思いますが、寡黙なリンカーン・クレイが、カサンドラやヴィトなど出自や考えていることも違うキャラクターたちをまとめ上げることができる。魅力的なキャラクターに仕上げっています。どのキャラクターも魅力的ですが、個人的なお気に入りはドノヴァンです。最初に出てきたときはとても掴みどころのないキャラクターなのですが、だんだん性格がわかってきて、「こいつ、おもしろいな」と思えるようになってきます。ドノヴァンとリンカーンとの関係性は、ほかのキャラクターにはないようなもので、そのへんの関係性を見ていただくとおもしろいかもしれませんね。キャラクターたちばそれぞれ違う味を持っているので、プレイヤーによって、好きなキャラクターがでてくるかと思います。いろいろな見方ができるのではないかと。とにかくキャラクターを見てほしいですね。

――なぜ、ストーリーに“復讐”という要素を取り入れたのですか?

デンビー ライターではないので、厳密に“復讐”がテーマなった理由については明言しづらいのですが、前作の『Mafia II』では、ヴィトがマフィアの世界に足を踏み入れてしまって、そこからトップに上り詰めるという物語だったのですが、意識的にあえてそれとは違うストーリーラインにしたということはあります。

――キャラクターが魅力的とのことですが、たしかにゲームをプレイしていると、引き込まれるような存在感がありますね。“演技力”があるような。キャラクターの存在感を際立たせるためには、どのような取り組みを?

デンビー いろいろな努力をしています。本作では、俳優さんにパフォーマンスと声を担当していただいたのですが、アプローチとしては、ふつうゲームのキャプチャーでは、個別にパフォーマンスをしていただいて収録するのですが、今回はそうではなくて、映画のようにセットを作って、いろいろなアクターがいるような状態で、いっしょに撮影をしているんです。単独で収録をしていると、演技をしても受け手がいないので、リアルではないのですが、今回の収録では、リンカーン・クレイが何かを言ったら、ほかのキャラクターが何かしら反応をしてくれるので、そういう意味ではリアルな演技ができていると思います。リンカーン・クレイを演じた俳優さんはアレックスさんというのですが、彼も長い時間ライターさんと時間を過ごして、台本の読み合わせをして、撮影に入る前にかなりの時間を費やしているので、そういう総合的ないろいろな努力が重なって、映画のようなものができたのではないかなと思っています。

――たしかに、映画を観ているような感覚はありますね。

デンビー さらに一例を挙げると、ボートに飛び乗って揺れるシーンでは、びっくりするシーンを再現するのは演技だけでは難しいんですね。それで、役者さんに目隠しをして見えない状態で不安定な状態を再現して、乗った瞬間に目隠しを取って、臨場感のあるシーンを表現するとか。あとは、サミーのバーのシーンもセットを作って、リラックスするような雰囲気を醸し出したり……と、空気感の表現には気を配りました。撮影自体は全部で3ヵ月くらいかけているので、とても凝ったものになっているのではないかと自負しています。

――テクノロジー的にも、工夫している部分はあるのですか?

デンビー そうですね。フェイシャルやフィジックスといった身体の表現にミドルウエアのソリューションを使っている部分はあるのですが、ほとんどは社内独自のテクノロジーを駆使しています。社内の優秀者スタッフが制作したものです。

――クルマの運転の難易度なども変わっているように思うのですが、それは前作までのフィードバックを受けてのものですか?

デンビー クルマの運転に関しては、『Mafia II』でも“アーケードモード”と“シミュレーションモード”といった感じでふたつ選ぶことができました。ただ、ユーザーさんからフィードバックがあって、向上させた部分があります。それに加えて、物語の設定が1950年代から1960年代に移行したことによって、クルマそのものの性質が向上したということがあるかもしれませんね。モデルが変わったことによって、“シミュレーション”というよりは、“ハリウッドアクションドライブといいますが、もっとゲームプレイらしくするようにしたいという思いがありまして。ですので、変わっている部分はあるかもしれません。ユーザーさんのフィードバックもそうですし、時代設定が50年代から60年代に移り変わったことによる、実際に世界のドライビングスタイルが変わったというところを、ある意味で反映させているのかと。

――最後に、日本のファンに向けてのメッセージをお願いします。

デンビー 『Mafia II』が好きだったプレイヤーの皆さんであれば、『マフィア III』が好きになっていただけると思います。今回、日本に来られてうれしいですし、作っていてとても楽しかったタイトルなので、ぜひ皆さんにもプレイしていただきたいと思っています。

最終更新:9/20(火) 17:31

ファミ通.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

失うことで不完全さの中に美を見出した芸術家
画家のアリッサ・モンクスは、未知のもの、予想しえないもの、そして酷いものにでさえ、美とインスピレーションを見出します。彼女は詩的で個人的な語りで、自身が芸術家として、そして人間として成長する中で、人生、絵の具、キャンバスがどう関わりあってきたかを描きます。 [new]