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自転車で「ながらスマホ」事故ったら保険はどうなる?

ZUU online 9/13(火) 8:10配信

やめられない、止まらない…。某スナック菓子のCMソングを代用したいほど、熱狂振りを見せる「ポケモンGO」。

筆者はゲームと呼ばれるものをしないので、ゲーマーの気持ちは分かりませんが、なんでも、このゲームは自転車に乗ってプレイするスタイルもあるようで、8月9日の最新アップデートによって、自転車での移動がカウントされなくなったことがSNSで話題になっているとか。

参考:ポケモンGOアップデートで自転車組壊滅? もはや正攻法で攻めるしか道はないのか
   http://www.excite.co.jp/News/bit/E1470813829726.html

何かに熱中しすぎて周りが見えなくなる、という事は、しばしば身に覚えがありますが、これはちょっと危険です。

今回は自転車に乗りながらスマホゲームなどに熱中して事故を起こした場合、保険はどうなるかを見ていきたいと思います。

■スマホをしながらの運転は安全運転義務違反

そもそも論として、自転車を運転しているときに事故を起こしたら、どのようなリスクがあるでしょうか。

かつては自転車運転者の事故に対する取り締まりは甘かったのですが、2015年6月に改正道路交通法が施行されて以来、世間の眼も警察の眼も厳しくなっているのは事実です。

事故を起こした場合、「危険行為」とみなされ、取り締まりを受けた回数が、3年間に2回以上になると、有料の講習を受けなければいけません(3時間5700円)。もし講習を受けなければ、5万円以下の罰金、および「前科者」となります。

改正時に加えられた14項目の中に、「安全運転義務違反」があり、この項目は人身事故が起こった場合に多く適用されることが想定され、今回のテーマである「ポケモンGO」をしながら運転した場合などは、この義務違反となる事が考えられます。

■停車中の高級車に、追突してしまったら

先の道路交通法を考慮した上で、もしゲームをしながら自転車運転中、誤って完全停車中の車に衝突してしまったとします。

相手方から車両の修理代を賠償請求された場合、突っ込んだ自転車側に100%過失があります。請求される額は、破損の程度と車種によって変わるでしょうが、通常1万円~数十万円程度でしょう。

問題はここで、「賠償責任保険」が使えるかどうか、です。

一般的に火災保険などに特約としてつけられている「個人賠償責任保険」は、こういった事故の際に活用することができるのですが、保険には「免責事項」とよばれるものがあります。

約款の免責事由には、「保険契約者、または被保険者の重大な過失または故意」については、保険金は支払われない、と記載されています。

「故意」というのはないとしても、「重大な過失」に「安全運転義務違反」が該当するかどうかが焦点になります。

■歩行者との衝突は、賠償金が高額に

他に、歩行者との衝突を想定してみましょう。

ゆっくりとした運転中であっても、相手が幼児やお年寄りであれば、機敏に自転車を避けることは困難です。

スマホを見ながら相手にぶつかってしまった場合、状況にもよりますが、たいていの場合は軽車両VS歩行者ですから、これも自転車に100%過失責任が課せられることが考えられます。

賠償金額は、ケガや後遺症の程度、逸失利益(いっしつりえき)として被害者の本来得られたであろう収入などを含めると、数万円~1億円以上まで考えられます。

ちなみに2013年7月、走行中の自転車が高齢者と衝突し、死亡事故の賠償額は9500万円以上の判決がでました。(この場合、ゲームはしていないです)

■「重大な過失」とみなされれば、保険はおりない事もある

やはりここでも論点は、スマホを操作しながら、またはスマホを見ながらの自転車運転が、「重大な過失」として見られるかというポイントです。

酒気帯び運転や、信号無視といったものは、「重過失」として挙げられるものですが、保険金がおりる、おりないといった保険契約における免責事項と同じ判断かどうかは、程度や状況によって異なるため、簡単には判断できないものです。

スマホを見ながらの運転もしかりで、ある保険会社の約款には

重大な過失とは、注意義務を著しく欠く場合をいいます。重大な過失の判断にあたっては客観的、一般的な視点から著しい不注意にあたるか否か、個別的な特殊事情があるかどうか等を考慮し、慎重に判断します

と記載されています。

損害保険は生命保険と異なり、事故発生前明文化するには、限界がある事が多いのが事実です。何にしてもスマホを見ながら、ましてゲームをしながらの車両運転は言語道断です。

不幸な事故が起こらないように、夢中になる気持ちは抑えて、安全に正しく運転を、ゲームを楽しみましょう。

佐々木 愛子
ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員二種、相続診断士。国内外の保険会社で8年以上営業を経験。リーマンショック後の超低金利時代に、リテール営業を中心に500世帯以上と契約を結ぶ。FPとして独立し、販売から相談業務へ移行。10代のうちから金融、経済について学ぶことの大切さを訴え活動中。FP Cafe登録FP。

(提供:DAILY ANDS)

最終更新:9/13(火) 8:10

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