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アメリカで沸き起こる「国歌論争」 NFLスター選手の起立拒否に賛否

THE PAGE 9/13(火) 19:40配信

 米プロフットボールリーグ(NFL)のサンフランシスコ「49ers(フォーティーナイナーズ)」に所属するクォーターバックのコリン・キャパニック選手は先月26日、試合前の国歌演奏で起立することを拒否。アスリートが国歌に敬意を払わないことに対し、アメリカ国内では批判の声も少なくなかった。しかし、キャパニック選手は起立しなかった理由について、黒人を含むマイノリティが不当な差別を受けている国の国歌や国旗に敬意を払うことはできないと明言。キャパニック選手の主張に賛同するアスリートやファンも増え始め、アメリカにおける「スポーツと国歌」をめぐる議論は現在も続いている。

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「黒人や有色人種を虐げる国の国旗に敬意表せない」

 「事件」は先月26日に発生した。49ersはプレシーズンマッチでグリーンベイ・パッカーズと対戦。試合前に行われた国歌演奏の際には、選手やスタッフらも起立して国歌を聴くのが慣例となっているが、キャパニックはベンチに座ったまま立ち上がることはなかった。試合後に行われたインタビューの中で、キャパニックは国歌演奏時に立ち上がらなかった理由について言及。「黒人や有色人種を虐げる国の国旗に、私は敬意を表することはできない。私にとってはフットボール以上の問題だ」とコメントした。

 キャパニックが国歌演奏時に起立しなかったことに対し、ファンやメディアの間では評価が二分した。49ersは「試合前に行われる国歌演奏では、選手は起立することを奨励されているものの、決して強制されるものではない」と、選手個人の意思を尊重する姿勢を声明で発表している。キャパニックは9月1日に行われたプレシーズンマッチでも国歌演奏時に起立せず、その際にはチームメイトもキャパニックと共にベンチに座ることを選択した。アメリカでは近年、丸腰の黒人が白人の警察官に射殺される事件などが相次いで発生しており、根強く残る人種問題に憤るキャパニックに賛同するアスリートやファンも少なくない。

 クォーターバックとして2014年に49ersのスーパーボール進出に大きく貢献したキャパニックは、1987年にウィスコンシン州で、未婚の白人女性のもとに誕生した。キャパニックの母親は19歳で、黒人の父はキャパニックが誕生する前にすでに母親のもとを離れていた。生後間もなく、キャパニックは同じ州に住む白人家庭に養子として引き取られた。キャパニックが4歳の時に一家はカリフォルニア州に移り住むが、キャパニックは小学校に入学した頃から様々なスポーツを経験し、高校時代にはアメフトに加えて、野球とバスケットボールも掛け持ちでプレーし、3種目全てで州代表に選出されている。

 学業においても非の打ちどころがなく、高校時代の成績はオールAだった。高校時代はむしろ野球での活躍が評価され(ピッチャーだった)、幾つもの大学から誘いがあったものの、キャパニック自身は大学でフットボールを続けることを希望していた。野球ほど多くの大学から注目されていなかったものの、ネバダ大学リノ校がキャパニックの身体能力を評価。キャパニックはネバダ大学でフットボールを続けることになった。

 余談であるが、キャパニックは大学入学後の2009年にドラフトでMLBのシカゴ・カブスから指名されたが、フットボールに専念するためにカブスと契約することはなく、大学に残った。大学卒業後に49ersに入団。2014年にはクォーターバックとして、1994年以来となる49ersのスーパーボール進出に大きく貢献した。

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最終更新:9/13(火) 19:48

THE PAGE

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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核融合こそ未来のエネルギー問題への答えであり、子どもにだって世界は変えられる、テイラー・ウィルソンはそう信じています。そして彼はそのどちらにも取り組んでいます。14歳の時に家のガレージで核融合炉を作り、17歳となった今、直前の依頼に応えてTEDのステージで自分の物語を(手短に)語っています。