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【ヤクルト】山田、タメてタメて38発!変化球にもブレない軸

スポーツ報知 9月13日(火)11時3分配信

 ヤクルト・山田哲人内野手(24)が、打率3割2分4厘、38本塁打、30盗塁を記録し、史上初の2年連続トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を確実なものとしている。背番号1を支える卓越した打撃技術と走塁センスを「山田を読む」で分析する。(取材・構成=中村 晃大)

 山田自身が今季ベストアーチに挙げるのが6月15日のソフトバンク戦(神宮)、和田からの21号ソロ。体勢を崩されながらも、低めのスライダーをバックスクリーンへ運んだ。「うまく打てたと思います」と振り返る。

 180センチ、76キロ。プロでは決して大柄とはいえない体で本塁打を量産する。ライバル球団の“山田評”で共通していたのが「タイミング」についてだった。

 DeNA・戸柱は「どの球に対しても同じタイミングでスイングできる」。阪神・岡崎は「真っすぐのタイミングで待っていても、いろんな球種に対応できる」と舌を巻く。阪神・藤浪は「難しいコースもきれいにさばきますし、タイミングを合わせる技術がすごい」と驚き、中日・大野は「あれだけ足を上げるのに直球と10キロくらい緩急差のあるツーシームでも、平気でビタッと止まって持っていく」とお手上げの様子だ。

 なぜそんなことが可能なのか―。鍵は小学校時代にあった。宝塚リトル・李相鎬(り・そうこう)監督(58)は証言する。

 「右足(軸足)の『タメ』って普通、体重を乗せた時の1度なんです。でも、哲人の場合は左足を踏み込んでいく際に右足にグッという動きというか、もう一つ『タメ』を作ることができる。トップが2度あるような感じっていうんですかね。今みたいに高く足は上げてなかったけど(感覚は)昔も今も同じじゃないかな」

 李監督が鮮明に記憶していることがある。小学5年の時、全国大会の予選で勧野甲輝(元ソフトバンクなど)から打った左越えソロ。1番で打席に入った山田が初回の初球をたたいた。

 「(リトルではかなり速い)120キロ級の投手の初球、それも変化球を打つとは…。直球を待っていたと思うんだけど、体が反応したのかな。踏み込む時にもう一つ『タメ』ができるから、変化球に泳がされない。あの頃から、下半身の使い方がとにかくうまかった。彼特有のタイミングの取り方ですね」

 小学校時には習得していた右足の「タメ」で体の軸のブレを抑える打法。本人は「無意識でやっているので分からないです」と言うが、冒頭の和田からのソロは、そんな背番号1の技術が詰まった完璧な一打だった。

 盗塁はどうか。ヤクルト・三木ヘッド兼内野守備走塁コーチは「『自分のスタイルを整えること』と『相手との駆け引き』。この2つをくっつけた時にいい盗塁ができるんじゃないかと思うんだけど、今年はその駆け引きが非常にうまくなった。状況判断ができているし、引き出しが増えた」と話す。

 昨季計測した20メートル走は2・6秒台。チーム一、二を争う好数字だった。最大の特徴はスタートの良さだが、走らないと決めた時は走らない。偽装スタートなどで相手に重圧を与える。そうした駆け引きをする中で、今季からより熱心になった配球の読みを重ね合わせ、レベルアップにつなげた。今季の盗塁は32度試みて失敗が2度だけ。これからも、山田の進化は止まらない。

最終更新:9月13日(火)11時3分

スポーツ報知

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