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マイナス金利の深掘り有力か 日銀「総括検証」で枠組み見直し検討

SankeiBiz 9月14日(水)8時15分配信

 日銀は20~21日の金融政策決定会合で、過去3年半の大規模金融緩和を「総括検証」する。大規模な緩和でも2%の物価上昇目標に届かない阻害要因は何か、マイナス金利の導入による効果と副作用の2つのテーマを軸に議論を進める。日銀は検証を踏まえ、2%の早期実現に向けた金融政策の枠組みの見直しを検討する考え。市場はマイナス金利強化や国債購入量の増額案など意見が分かれており、緩和手法論は会合直前まで続きそうだ。

 日銀は2013年4月、市場に流す資金の量(マネタリーベース)を2年で2倍の60兆~70兆円に増やし、2%の物価上昇目標を達成すると表明。政府の景気対策も重なり、13年度の経済成長率は2%程度へと大きく押し上げられ、人手不足が一気に健在化するほどの雇用回復が実現した。円安・株高にもつながり、企業業績の改善も図られた。

 ただ、目標とする「2年程度で2%の物価上昇率」の実現に向けては、14年4月の消費者物価(消費税増税、生鮮食品を除く)の指数が前年同月比1.5%上昇したのをピークに、今年7月は0.5%下落している。日銀は、この要因を「原油価格の下落」「消費税増税後の消費低迷」「新興国経済の減速」などが要因と経済統計を交えて分析する見通しだ。

 日銀は、緩和の効果について、「手段、目標、時間軸すべてを検証する」(日銀関係者)としており、追加緩和の時期や規模、市場の予想しない政策を打ち出す「サプライズ」戦略が適切だったかも含め、物価上昇目標が達成できない要因を探る。

 マイナス金利政策については、今年2月の導入以降、20年物国債の利回りが一時マイナスになるなどした結果、企業が超長期の社債で資金調達する動きが出たり、住宅ローン金利や企業への貸出金利が低下した。こうした動きを踏まえ、「企業や家計の資金調達コストの低下にしっかりとつながっている」(黒田東彦総裁)と判断する方向だ。一方、金融機関の利ざや縮小や生命保険や年金の運用利回り低下が副作用として顕在化したことなどを分析する。

 日銀の中曽宏副総裁は8日の講演で「総括検証」について、「緩和の縮小という方向の議論ではない」と講演で断言。黒田総裁も5日の講演で、「マイナス金利の深掘りも、量の拡大もまだ十分可能」と追加緩和への意欲を示した。

 市場では、「マイナス金利を0.1%から0.2~0.3%に拡大」「国債購入量を年80兆円から100兆円に拡大する」といった枠組み変更説が出ている。政策手段について黒田総裁は、「ベネフィット(効果)とコスト(副作用)の比較」を強調。特に、「金融機関への副作用は深刻ではない。利益が減っても正常値の範囲内」と見る向きもあり、マイナス金利強化に踏み切る可能性もある。

 一方、マイナス金利拡大とともに「国債の購入量を年80兆円から年70兆~90兆円に柔軟化」「国債買い入れの平均年限を7~12年から5~12年に拡大」する案も浮上するが、この場合は緩和縮小とみられない丁寧な説明が必要となる。

最終更新:9月14日(水)8時15分

SankeiBiz

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