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第二原発 侵入警報を停止 規制委が東電を厳重注意

福島民報 9月13日(火)10時34分配信

 原子力規制委員会は12日、東京電力が福島第二原発で侵入検知器の警報機能を鳴らないように設定していたことを明らかにし、核物質防護規定の順守義務違反に当たるとして同日付で東電を文書による厳重注意とした。警報が人の侵入以外で頻繁に作動するため、警報音が鳴らない設定にしていたという。厳重注意は防護規定の行政指導で最も重い。同社の安全管理意識が改めて問われそうだ。
 警報の停止は規制委の立ち入り検査で昨年10月7日に発覚した。その後、東電の社内調査で9月と10月の少なくとも計4回、警報を停止していたことが判明。検知器自体の作動状況は警備室の画面で確認していたというが、規制委は「人の侵入を確実に確認できる状態にあるとはいえず、重大事案に発展する恐れがあった」とした。
 東電によると、人以外に動く物に反応したことなどによる「不要警報」が多発していたため、現場の警備担当社員の判断で一時的に停止した。警報停止中、警備員の巡回を増やすなどの代替措置も十分に講じていなかった。
 核物質防護を管理する東電の防護管理グループマネジャーは警報の停止を認識していたが、発電所長には報告をしていなかったという。規制委はこの点を「組織的不正行為とはいえない」とする一方、「組織的管理機能が低下している」と厳しく指摘した。
 東電は規制委に対し、関係部署への教育の徹底などの再発防止策を示した。東電の岡村祐一原子力・立地本部長代理は行政指導を受けて12日に開いた記者会見で「意識の低下があった。全面的に反省しないといけない」と話した。
 規制委や東電によると、検知器は原発の敷地境界や構内の要所に設置され、通常は常時、人の存在をセンサーで感知すれば防護本部で警報音が鳴る仕組み。東電は警報を止めたのは一部の検知器のみとしたが、停止した検知器の具体的場所や停止していた期間などの詳細は「核物質防護に関する情報に該当する」として明らかにしていない。発覚後は全て作動させている。
 福島第二原発1~4号機は東日本大震災以降、冷温停止が続いている。現在は1日当たりで東電や協力会社の従業員1500人から1700人程度が出入りしている。福島県、県議会などは全基廃炉を求めているが、東電は態度を明確にしていない。

福島民報社

最終更新:9月13日(火)10時44分

福島民報