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ルネサス、米インターシルを3200億円で買収 アナログ・パワー強化

ロイター 9月13日(火)8時28分配信

[東京 13日 ロイター] - [東京 13日 ロイター] - ルネサスエレクトロニクス<6723.T>は13日、米半導体のインターシル<ISIL.O>を約3219億円で買収し、完全子会社化すると発表した。今後の成長が期待されるアナログやパワー制御半導体の強化が狙い。

<4─5年後に効果170億円>

ルネサスの呉文精社長兼最高経営責任者は同日会見し、今回の買収について「アナログ、パワー(制御)の千載一遇の好機だった」と強調した。相乗効果は1億7000万ドル(約172億円)を見込む。このうち「4分の3は売上高に、4分の1はコスト」(呉社長)に効いてくるという。自動車メーカーなど主要な半導体供給先との共同開発の期間を考慮すると、効果が全面的に出るのは「4、5年後」(同)としている。

同業の米マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ<MXIM.O>もインターシル買収の意向を示していたが、ルネサスへの売却で決着した。「ぎりぎりの価格で競争があった」(同)という。呉氏は「これでパズルのピースが埋まったわけでない」と述べ、今後も買収を積極的に仕掛けていく考えを強調した。

買収価格は交渉が表面化した直前の株価(8月19日終値)に43.9%上乗せした水準。柴田英利・執行役員常務兼最高財務責任者は「今回の価格は十分に正当化できる」と述べた。

インターシルは軍事目的の半導体も扱っていることから、今回の買収にあたって対米外国投資委員会の審査を今後受けるが、柴田氏は「問題ない」との見通しを示した。

<成長分野アナログ、競争は激化か>

インターシルは売上高の約9割をアナログ半導体が占める。アナログ信号をデジタルに変換したり、その逆のデジタルからアナログへの変換、音の増幅、電圧制御などアナログ半導体にはさまざまな機能があり、スマートフォンなどデジタル機器や家電、自動車、産業機器など幅広い製品に塔載される。

世界の主要半導体メーカーが加盟する「世界半導体市場統計」によると、2015年の全半導体出荷金額が前年比1.0%減だったのに対し、アナログは1.9%増。成長は今後も続くとみられているだけに、市場競争や業界再編への圧力が高まりそうだ。

アナログで業界4位の米アナログ・デバイセズ<ADI.O>が同8位の米リニア・テクノロジー<LLTC.O>の買収すると7月に発表したことは、そうした状況を反映している。

米調査会社ガートナーのアナリスト、山地正恒氏は「半導体業界は成熟し、寡占化が進む流れで、数少ない数社が生き残る方向にある。この競争状況の中でアナログの弱いルネサスがインターシルを吸収したところで、規模の効果は出ないだろう」と厳しい見方を示した。

*脱字を補って再送しました。

最終更新:9月14日(水)11時19分

ロイター