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jealkb VS ROOT FIVE 念願のツーマンライブ「またやりたいね! いや、絶対しよう!」

エキサイトミュージック 9月13日(火)22時30分配信

9月9日、新宿LOFTにて『jealkb VS ROOT FIVE ツーマンライヴ』が行われた。このライブは、本来、今年の1月29日に行われるはずのものだった。しかし、ライブ直前に、ROOT FIVEの江川直樹(ぽこた)がリハーサルでの殺陣の稽古中に左目を負傷し、緊急手術を行ったことで、絶対安静との診断を受けたため、やむなくライブを中止することとなった。この事態を受けて、チケットは払い戻されたのだが、せっかくこの日を楽しみにしていてくれた人のためにと、当日jealkbだけで無料ライブを行ったという経緯があったのだ。そのライブ当日、江川以外はjealkbのライブを観覧し、両者は必ずこの対バンを実現させることを硬く約束したと言う。

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実に、半年以上の時が流れたが、彼らは約束どおり、待ちに待ったツーマンライブを実現させた。この日は、前売りチケットの販売数の多かった方がトリを務めるという決め事があったことから、チケット枚数で惜しくも負けたjealkbが先陣を切った。

SHOW要素の強いSEをバックに颯爽と登場し、haderuが初っ端から荒々しくオーディエンスを煽り、楽器隊がそれぞれの音をかき鳴らす。と、次の瞬間、その音はピタリと止み………。

「え~、普通のバンドは曲から入るんですが、僕たちはMCから始めたいと思います」(haderu)

と、いきなりのMC。まさかの展開にフロアは笑いに包まれた。さすがである。ここから、“jealkbのライブの楽しみ方”をオーディエンスに伝授。振り付け先導師であるhidekiが、haderuの解説に合わせお手本を見せながら、“両手を高く上げて肘を折り、両手を同時に前に出す振りをGLAY。右手を大きく左右に振ることをSMAP。OiOiOiOiと拳を力強く振り上げる振りを長渕さん(長渕剛)。指揮をするように両手を翻す振りを小沢征爾。両手の掌を合わせ、揉むような振りを見せることをNSGS(※生絞りグレープフルーツサワーの略)”といったjealkbの基本の振り付けを教え、ライブへと流れていった。ライブの楽しみ方を熟知しているジュアラー(jealkbのファンの名称)たちはもちろん、バンドのライブというものにあまり馴染みのないルーファン(ROOT FIVEのファンの名称)たちをも、すっかり虜にしたjealkbは、圧巻のバンドサウンドで、結成から11年を迎えるバンドの歴史を見せつけていった。

そしてこの日、彼らは対バンという場に“新曲”を持ち込み、披露。elsaの力強いシンバルを合図に、dunchの野太いベース音とeddieとsapotoの分厚いギター音が重ねて放たれ、haderuが最初の歌詞を歌い出したその瞬間、ルーファンたちは絶叫に近い歓喜の声を上げた。そう。その“新曲”とは、ROOT FIVEの「MARIA-マリア-の残響」だったのだ。ROOT FIVEとはひと味違うバンドアレンジの「MARIA-マリア-の残響」の投下に大興奮のフーファンたち。すっかり自分たちの楽曲にしていたjealkbの実力に、力一杯クラップとヘドバンを返していたジュアラーたち。両者それぞれが違ったノリで盛り上げていったその景色は、対バンならでの素晴しい景色だった。

“どうせ芸人が話題作りで始めたバンド”と穿った目で見られてきたjealkbだが、彼らの演奏力とhederuのロックボーカリストとしての実力は本物である。メインコンポーザーのelsa楽曲センスの高さと、職業作家並のスキルを持つhaderuの作詞力に改めて感心させられたステージだった。

次はいよいよROOT FIVEの登場だ。約1年という歳月をかけ、殺陣を取り入れた“STORYLIVE”を作り上げてきた彼らは、その経験を確実な基礎力とし、ROOT FIVEというグループを大きく成長させていた。この日は、バンドである対バン相手を意識し、jealkbの楽器を借り、koma'nこと駒沢浩人がショルキーを持ちながらボーカルを務め、ぽこたこと江川直樹がギター、みーちゃんこと石城結真がベース、けったろこと藤谷慶太朗がドラムといったバンド形式でライブをスタートさせた。生粋のバンドファンであるジュアラーへの敬意でもあったのだろう。そんな彼らのパフォーマンスに、ジュアラーたちも熱い声援を送り、ルーファンたちも、いつ
もとは違った形態で届けられた「ワンチャンス」と「勇愛(You & I)賛歌」をいつも以上の景色で盛り上げていった。

そして、2曲目終わりで4人全員がステージに並び、実にテンポの良いラジオ級の絶妙なMCを届けた。芸人という本職を持つ、さすがな掛け合いを魅せたjealkbに触発されたのか、この日の4人のトークは最高に冴えていた。ロングツアーで経験値を上げたのももちろんであるが、やはり対バンという刺激は想像以上なのだろう。MCを挟み、3曲目に届けられた「Break it out!」からは、フロアがそれぞれの担当カラーで埋め尽くされた、いつものROOT FIVEのエンタテインメントなステージが展開されていった。曲中で自己紹介が差し込まれるこの曲では、“jealkb一人h8いとりの魅力を語っていく!”というこの日ならではのアドリブが差し込まれたのだが、elsaの紹介を忘れるといったオチもしっかりと付けた展開で、ジュアラーの心を射止めた4人だった。

ダンスとボーカルで魅せていく通常のライブに付加を与えた“STORYLIVE”は、彼らにとって加圧トレーニングでもあったと言ってもいいだろう。故に、圧が取り除かれた状態での通常ライブは、鍛えられた筋肉が実に有効に使われているといった感じだったに違いない。以前にも増してキレの良くなったダンスと、それぞれの個性がよりハッキリと出て来た歌唱は、ROOT FIVEというグループを唯一無二の存在へと押し上げていたのだった。

そしてこの日、そんな個性をより浮き彫りにしていたのが、江川と石城のツイン曲「Don't Look Back!!」と、駒沢と藤谷のツイン曲「コロナ」だった。ワンマンよりも短い持ち時間ではあったが、120%の魅力を見せつけたメニューでルーファンたちを満足させ、さらに、ROOT FIVEのライブを初めて見たジュアラーには、振り幅の広いグループであることをしっかりと証明できていたと言える。そして、彼らもこの日、ラストに「傷心マキアート」という名の“新曲(jealkbのカバー曲)”を完璧な振り付けで届け、ジュアラーたちを喜ばせていたのだった。

本編終了後、ジュアラーによる“JKB”コールと、ルーファンによる“ルーファィ”コールが交差する中、ステージに再び現れたのはROOT FIVEだった。

「しょうがねぇから、楽屋に居る負け犬も呼んでやってもいいけどよぉ。おい、負け犬!」(駒沢)

威勢良くjealkbをステージへと呼び込んだものの、大先輩であるjealkbを“負け犬”呼ばわりしたことへの罪悪感と、ジュアラーからのブーイングと、しおらしく登場したjealkbを実際に目の前にすると、激しく目が泳ぎ、明らかな動揺を見せる駒沢。とてつもなく分かりやすい動揺をhaderuに突っ込まれ直立不動になる駒沢の姿に、メンバーとファンたちは大爆笑。そんな和やかな空気の中で始まったアンコールは、jealkbの演奏でROOT FIVEがhaderuとhidekiと共に歌うというコラボ企画でオーディエンスを喜ばせた。

『ニコニコ動画』のボカロ曲のようなediee作曲の「天誅☆あるわけないストーリー」が届けられたのだが、この曲は本編でも披露されていたことから、ルーファンたちは、振り付けも完璧に体に入った状態で,ジュアラーたちと一緒にライブを盛り上げたのだった。

「やっぱり最後はROOT FIVEの曲でしめないとね!」(haderu)

と、「MARIA-マリア-の残響」を総勢10人で届けたのだった。

バンドとダンスボーカルグループである異種格闘技戦ではあったが、両者共にとても刺激が大きかった対バンツアーであると感じた。そして、何よりも素晴しいと感じたのは、両者のオーディエンスが、両方のステージを最高に楽しんでいたこと。異種格闘技戦は往々にして、アーティスト同士が刺激を求め合うことを優先にブッキングされることが多いことから、両者のファンたちにとっては、自分たちが支持するアーティストの出番だけを楽しみ、対バン相手のライブにはあまり興味を示さなかったりするものなのだが、今回のjealkbとROOT FIVEとの異種格闘技戦に関しては、対戦相手のライブを手放しで楽しんでいた両者のファンたちの姿がとても印象的だったのに加え、演者側も、最高に楽しみながら、お互いの良さと、自らの強化すべきところを改めて見つめ直せていたように思う、理想的な異種格闘技戦だったと感じた。

「またやりたいね! いや、絶対しよう! 1回で終るのもったいないもん!」と、ファンたちと約束していた彼ら。最高に楽しめたこの異種格闘技戦が、いつかまた実現することを切に願う。
(取材・文/武市尚子)

最終更新:9月14日(水)22時15分

エキサイトミュージック

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。