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【箱根への道】中大、1年生主将で開く新時代…88回連続本戦出場かけ来月15日予選会

スポーツ報知 9月14日(水)14時2分配信

 駅伝シーズンの行方を左右する夏合宿も終盤を迎えた。9月上旬、山形・上山市の蔵王坊平高原に中大、東洋大、早大の3校が集結。7月に1年生の舟津彰馬を新主将に抜てきする改革を断行した中大は、箱根駅伝予選会(10月15日)で88回連続91回目の本戦出場を目指し、チーム一丸で走り込んだ。

 晩夏の蔵王坊平で1年生の意気込みと上級生の意地が融合した。

 「集中していきましょう!」

 「ヨッシャ!」

 1年生キャプテンの舟津が声を張り上げると、上級生が野太い声で応える。20人が選抜された中大の合宿の空気は引き締まっていた。

 7月3日。夏を迎えた時、今季から指揮を執る藤原正和監督(35)は大なたを振るった。6月18日の全日本大学駅伝関東予選会で17位と惨敗。ミーティングを重ね、主将を4年の新垣魁都から舟津への交代を決めた。

 舟津は主将に就任直後、スローガンに「全ては勝つために」を掲げた。13年箱根駅伝を制した日体大の服部翔大(現ホンダ)ら3年生主将のケースはまれにあるが、新設チームを除けば、1年生の主将は極めて異例。「他校の友人からは『4年生とはタメ口?』とか聞かれますが、もちろん、そんなことはありません。先輩には敬語を使っていますし、寮の電話番や給水ボトルの準備など1年生の仕事はこれまで通り、いや、これまで以上に一生懸命やっています」と強調する。

 舟津、冨原拓と中距離の田母神一喜は、藤原監督の「将来、世界を目指すために必要な経験」という指導方針で、1年生3人で8月4~18日まで標高約2000メートルの米国ユタ州パークシティで高地合宿を行った。日本学生対校選手権1500メートルでは舟津が2位、田母神が5位、冨原が7位と結果を残した。

 チーム改革から約2か月。エースの町沢大雅(4年)は「当初は1年生が主将になってショックでした。でも、今は四の五の言っている場合じゃないし、落ち込んでもいられない。最上級生として練習を引っ張る。走りで示す。そこは譲れない」と言い切る。言葉通り、スピード練習では先頭を走る場面が多かった。

 箱根駅伝で優勝回数、連続優勝、出場回数、連続出場の最多記録を誇る名門も近年は低迷。4年連続の出場を強いられる予選会で88回連続の本戦出場に挑む。戦争による中断があったため、年数で言えば92年も続く大記録。1925年、大正14年から続く伝統を途切れさせてはいけない。

 ただ、1年生主将は無用なプレッシャーは感じていない。「伝統は大事ですし、伝統を築いてきた先輩方を尊敬していますが、もっと大事なのは今だ、と思います」と舟津。標高1000メートルの高原には秋の気配が漂う。決戦の時は近づいている。(竹内 達朗)

最終更新:9月14日(水)16時39分

スポーツ報知