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夜のうちから朝食準備、働く女性の健康サポート

産経新聞 9月14日(水)8時0分配信

 女性の活躍は朝食から-。働く女性に朝食の大切さをPRする横浜市のユニークなイベントが注目を集めている。退勤時間に合わせて夕方から駅前などで朝食向けの商品を集めた“夜市”を開催。夜のうちから翌日の朝食の準備をしてもらうのが狙いだ。(榊聡美)

 ◆帰りにメニュー選び

 日も暮れかけた9月上旬の午後5時。横浜市中区のJR桜木町駅周辺に夜市のテントがお目見えした。

 「明日の朝ご飯にいかがですか」

 老舗フランス料理店「霧笛楼」の卵をたっぷりと使ったキッシュ(500円)をはじめ、市内にあるレストランの朝食向けメニューや手作りのハム・ソーセージ、地元産野菜など、朝食作りに役立つ食材も並ぶ。

 また、カルビー(東京都千代田区)のシリアル食品「フルグラ」と、地元産の野菜やカレーを組み合わせた簡単に作れる朝食メニューの紹介も。試食をした同市南区に住む30代の女性会社員は、「平日はぎりぎりまで寝ていて朝食は作らないけど、これなら簡単。野菜も取れるのでいいですね」とヒントを得たようだった。

 ◆深刻な欠食率

 ダイエー会長などを務めた林文子市長のもと、女性が働きやすい都市を目指す横浜市。女性の活躍や健康づくりを進めるため、今月1日にカルビーと包括連携協定を結んだ。その取り組みの第1弾として同日から4回にわたり、「ヨコハマ朝食マルシェ」と銘打ったイベントを開いている(14日、28日も実施予定)。

 まず朝食をテーマに選んだ理由は、深刻な朝食欠食率の高さにある。働く女性の平日の朝食欠食率を都道府県別に見ると、神奈川県は全国3位(表)。特に横浜市では20代女性の朝食欠食率は36%と高く、市では平成32年までに15%以下に減らす目標を立てている。

 「朝食を取らないと健康上の支障をきたす。仕事帰りに明日の朝食は何を食べようかな、と楽しく考えてもらうことで、朝食に興味を持つきっかけになれば」と、同市男女共同参画推進課の平沼英子課長は話す。

 市内の小売店でもこんな試みが始まった。ディスカウントスーパーチェーンのオーケーは、夕食で余った総菜を朝食用にリメークする方法を提案。ドラッグストアチェーンのココカラファインは朝食向け食品のコーナーを立ち上げ、日用品や化粧品を買うついでに朝食も、と呼びかけている。

 ◆段取り力アップ

 「若い世代の朝食欠食率の高さは横浜市に限りません。取っていないのは抜いても、とりあえずは何の影響もないから。それに、若い女性は食べれば太ると考える人も多い」

 管理栄養士・医学博士の本多京子さんはこう指摘する。だが、朝食を抜けば、栄養の偏りや不足が生じる。欠食率の高い20代女性は、野菜や果物が足りておらず、1日の目標摂取量を大きく下回っている。

 朝は慌ただしいため、夜から準備をするのは当たり前だが、朝食を作ったり食べたりするのが習慣になっていない人にとっては難しい。

 「防災の観点からも、いつも先を考えて食べるものを準備しておくという心構えは大切です」

 本多さんは第一歩として、すぐに食べられるものを買っておき、夜のうちに食器、スプーンなどをセットしたトレーを用意しておくことを勧める。また、仕事が忙しく手作りの朝食が用意できないと嘆く女性に、自身の経験に基づいて、こうアドバイスする。

 「料理は仕事にも共通する『段取り力』が鍛えられます。習慣になれば将来、お母さんになったときに子育てと仕事の両立が上手にできるようになりますよ」

 ■食べる目覚まし時計

 朝食は「1日の食事の中で一番大事」といわれる。寝ている間にもエネルギーを使っているため朝目覚めたとき、体はガソリン切れの状態だ。交感神経を優位にさせて頭をシャキッとさせるためにも朝食は目覚まし時計の役割をする。食べれば体温が上がり、脳が活性化する。

最終更新:9月14日(水)8時0分

産経新聞