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リスクゼロで年率30%運用も 個人型DCは利用しないと損

マネーの達人 9月13日(火)5時13分配信

マイナス金利時代の賢い資金運用法

筆者は、過去に寄稿したコラム記事で、マイナス金利時代の賢い資金運用法として10年物個人向け国債や百貨店「友の会」などの活用を提案した。

1人でも多くの読者に読んでもらい、マイナス金利時代を乗り切る知恵として参考にしてもらえれば幸いである。

■(1) 「元本保証」の金融商品について

マイナス金利時代とはいえ10年物個人向け国債(変動金利型)の年率0.05%の金利(最低保障されている利率)に満足する読者はほとんどいないと思われるが、個人が気軽に購入できる「元本保証」の金融商品としてはお勧めすることはできよう。

少なくとも、実質ゼロ金利状態の普通預金や定期預金に多額の預金を眠らせておくよりは十分にマシなお金の預け先といえるし、将来のインフレにもある程度対応することが可能だからだ。

■(2) 旅行積立商品と「友の会」について

一方、旅行会社が提供している旅行積立商品と大手百貨店「友の会」は、利回りがそれぞれ2%台と8%台(積立投資による正確な利回りは15.8%)なので、個人向け国債よりはるかに有利な資金運用の手段にみえるが、それらはあくまで期間満了時に旅行券や商品券と引き換えができる積立プラン(6か月~60か月)であり金融商品ではない。

万一、積立プランを提供している旅行会社や百貨店が破綻した場合は、政府による元本保証や預金保険制度による預金保護の仕組みなどはない。

また、旅行券・商品券という性質上、換金はできないし利用できる店舗や商品が限られるというデメリットもある。

個人向けDC(確定拠出年金制度)を活用するメリットについて

本コラムでは、マイナス金利もしくは実質ゼロ金利時代が今後も長期間続くという前提の下、資金を長期運用する観点から、個人向けDC(確定拠出年金制度)を活用するメリットについて考えてみたい。

■個人型DCの利用対象者が拡大される

折しも、2017年1月より確定拠出年金制度が改正される。注目の改正点は、個人型DCの利用対象者が拡大されることだ。

現状では、個人型DCを利用できるのは、勤務先に企業年金制度がない人や自営業者などの第1号被保険者に限られている。

これが、制度改正により勤務先に企業年金制度がある人にも拡大される。確定給付型の企業年金がある場合でも、企業型DCがある場合でも、勤務先が規約で定めれば、個人型DCに加入できる様になるのだ。

また、これまで確定拠出年金の対象外だった公務員等の共済年金加入者と第3号被保険者(会社員・公務員の配偶者)も個人型DCの対象になる。つまり、60歳未満であれば、誰もが何らかの確定拠出年金を利用できるようになるわけだ。

極端な例を挙げれば、ある会社員の女性が結婚退職して専業主婦になり、その後別の企業に再就職するというケースでも、個人型DCであれば確定拠出年金を途切れることなくずっと継続できるようになる。

尚、個人型DCは加入者の立場によって年間で入金できる掛け金の上限額が異なるので、以下に整理してみた。※は2017年1月から新たに個人型DCの対象となる。

■個人型DCの掛け金の上限額

・ 自営業者 81万6000円(月額6万8000円)
・ 企業年金制度のない会社員 27万6000円(月額2万3000円)
・ 企業年金制度のある会社員・公務員※ 14万4000円(月額1万2000円)
・ 企業型DCのある会社員※ 24万円(月額2万円)
・ 専業主婦・主夫※ 27万6000円(月額2万3000円)

個人型DC(確定拠出年金)は、いわば「自分年金」を作るための制度である。

企業型DCは掛け金を勤務先である事業主が負担するのに対し、個人型DCは自らのお金で老後生活のための年金を公的老齢年金(国民年金および厚生年金・共済年金)とは別に準備するものである。 
 
よって、制度自体を使うかどうかの判断はもちろんのこと、手続きも自分自身で行わなければならない。

いろいろ手続きが面倒であることや、勤務先に企業型DCがある会社員にとっては、「わざわざ毎月1万2000円の掛け金を負担してまで個人型DCに加入するメリットはあるのか?」と考える人も少なくないだろう。

しかし、「個人型DCを利用しないのは大きな損である!」と筆者ははっきりと断言する。

尚、本コラムでは説明を省くが、2012年1月の法改正で企業型DCにおいて、加入者も一定の範囲内で事業主の掛金に、掛け金の上乗せ拠出(給与からの天引き)が出来る「マッチング拠出」が可能になっている。

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最終更新:9月13日(火)5時13分

マネーの達人