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リンゴ畑でヘーゼルナッツ収穫!?

Web東奥 9月13日(火)11時34分配信

 青森県平川市広船地区のリンゴ農家でつくる「広船アップルクラブ」が同地区で、香ばしい風味とコリコリした食感を楽しめる「ヘーゼルナッツ」の試験栽培に取り組んでいる。土壌病害になったリンゴ畑を活用し、産地化を目指す計画。栽培開始6年目の今年、初めて数十個の実が付き、収穫を無事終えた。関係者は「大きな一歩」と受け止め、来年以降の栽培に意欲を燃やしている。
 農林水産省などによると、ヘーゼルナッツは地中海沿岸から西アジアが原産地で、生産量の約7割がトルコ。生や、よく炒(い)ったものを食用とし、日本ではチョコレートやケーキなど洋菓子の材料として輸入されている。県林政課は、県内での栽培事例について「統計調査をしていないので把握していないが、聞いたことがない取り組み」と珍しがる。
 広船アップルクラブで中心的に栽培しているのが外川薫さん(41)。きっかけはリンゴ樹の根を腐らせる「紫紋羽(もんぱ)病」。消毒してもすぐに菌が戻ってしまう上、畑の土壌改良も経費がかかる。
 長年悩まされる中で、代替作物にならないかと思い付いたのが、日本の山で自生するヘーゼルナッツの仲間「ハシバミ」だった。外川さんは子どものころ、自宅周辺の山でハシバミの実をよく食べ、その香ばしさや食感が強く記憶に残っていたという。「平川市の山にハシバミが自生するのなら、ヘーゼルナッツも育つ風土かもしれない」と考え、栽培に乗り出した。
 5年前、土壌病害のためリンゴの木が育たない園地に「ホワイトフィルバート」と呼ばれる品種の苗木を数本植えた。枝の剪定(せんてい)や草刈りなどの手入れだけで観察を続けてきたところ、今年7月上旬ごろ、成木となった2本の木に直径1.5センチほどの実が数個付いているのを発見した。
 9月上旬まで待って二十数個を収穫。殻の中には一回り小さな粒があり、口に入れるとクルミに似た風味と食感を楽しめた。収穫した実を使ってアップルパイを作り、来年2月に都内で販売する計画だ。
 一方、同クラブは本年度、むつ小川原地域・産業振興財団の助成を受けヘーゼルナッツ6品種の苗木120本を新たに購入した。外川さん以外の会員4人も試験栽培を始めたが、こちらはまだ実が成っておらず、来年以降も地道に管理、観察を続ける。
 外川さんは「栽培方法がよく分からず手探りだったが、数十個の収量は大成功。リンゴ栽培に比べ手間もかなり省けることが分かった。寒暖差のあるこの地域の気候に合っているかもしれない」と話し、実が付いた木と付かない木の分析を進める考えだ。
 同クラブの福士稔代表は、広船地区は平川市内の中でもリンゴの主産地-とした上で「今後もリンゴの栽培が主だが、ヘーゼルナッツも取り入れ、あらゆる加工品の販売活動ができるようになれば」と期待している。

東奥日報社

最終更新:9月13日(火)11時34分

Web東奥