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JAXA「いぶき」に関するシンポジウム(全文3)中島正勝氏/JAXA

THE PAGE 9/14(水) 20:07配信 (有料記事)

いぶきの開発から打ち上げと運用、後継機の開発 中島正勝氏/JAXA

中島:はい、ただいまご紹介にあずかりましたJAXAの中島です。本日は衛星について、開発状況、開発のときの様子とか、打ち上げたあとの様子などをちょっとご紹介したいと思っております。失礼しました。
 まずいきなりですが、こちらが衛星の全体になります。大きさがだいたい4メーター×2メーター×2メーターですので、だいたい小さなワンボックスカー1台分ぐらいの大きさになります。これが太陽光発電をする太陽電池パネルなんですけど、ここからこの(※判別できず)は14メーターぐらいのサイズになります。載せてるセンサが2つがありまして、1つは温室効果ガス観測センサ、こちらのほうで二酸化炭素とかメタンを測っております。こちらのほうが雲・エアロゾルセンサといいまして、こちらのセンサが見ているところに雲があったりしますとそのデータは使えませんので、そういったデータを除かなければいけません。そのためにこうやって雲があるかどうかといったところを見て、そのデータに雲があればそのデータは処理から外すといったことをしております。

 じゃあまず、そもそも二酸化炭素とかメタンっていうのをどうやって宇宙から測っているのかといったことをご紹介したいと思います。空気があります。その中に二酸化炭素とかメタンがあります。で、ここに太陽光入って通過しますと、通常、太陽光はいろんな色を持っています。こういう虹で分かりますとおり、いろんな色を持っておりましてこの太陽光がこの大気を抜けてくるときに、例えば二酸化炭素のところを通ってきますと、この二酸化炭素が、ある色を吸収します。

 で、これはどの色を吸収するかっていうのは、二酸化炭素とメタンでは別の色を吸収するという性質がありまして、そうするとこの吸収がされて、で、メタンと二酸化炭素、別々の色を吸収しますので、まずどの色を吸収したかといったとこでどんな分子、どんなガスがあるかってことは分かります。で、その数が多ければ多いほど、より多く吸収されて色がどんどん薄くなってきます。すなわちどの色がどれぐらい減ってるかといったことを見ることで、どのガスがどれぐらいあるかということを知ることができます。こういった原理を使って観測をしております。

 ではじゃあ、これ例なんですよ。これ太陽光なんですけど、横方向が波長でだいたい1.6ミクロン近辺を見ております。縦方向が強さなんですけどもちょうど、この辺りを拡大したのがこれになります。ここがちょうど二酸化炭素が吸収する色っていうか波長があるところで、下にこう出ている、このくしみたいになっているのが、これが二酸化炭素で吸収され、ここのところの色がこれぐらい減っていると。で、これが下に、より深くなればなるほどたくさん二酸化炭素があるということになります。

 で、この辺りにはメタンが吸収する色があります。やはりこれもくしのようになっていますけども、こういったところではメタンが吸収することでこの強さが減っています。こちらもこれがだんだん深くなるほどよりたくさんメタンがあるということになります。

 じゃあこれをどうやって検出しているのか、これは干渉計っていう方法を使っていまして、左から光が入ってきます。それが、これが半分反射、半分透過をするミラーになっていまして、反射されたやつが、こちらとこちらもミラーなんですけども、当たってまた戻ってくる。戻ってきたやつが反射するのもあるんですけど、また半分はこちらに透過して、こちらに来ます。右方向に行ったのもここで反射して、透過する成分もありますが、また反射してこちらに来ます。

 するとここに来たときに今、この距離とこの距離が同じであれば、ここに到達したときは、これはこの2つの波長の山同士、谷同士が合わさります。すなわちこれがまた合成されて元に戻ってこういうふうになります。ちょっと同じ幅というか、大きさで書いてますけども、実際は半分こっちへ逃げてってますので、この高さ本当はこの半分になります。

 次にじゃあ、こちらのミラーが少し遠くなった場合。少し遠くなって、例えばこの波長の4分の1だけ右に動いたとします。そうしますとここから戻ってきた光、この緑の光と黄色の光はここに来たときには、この絵、さっきは2つ、同じ山と山同士が重なっていたんですけども、ここが4分の1ずれてると、これ往復ですので波長が半分だけずれて山と谷同士が重なってしまいます。そうなると先ほどは一致していたのが半分ずつずれますので、こちらは元に戻っていたのが、こちらは打ち消し合ってゼロになってしまいます。

 で、これは4分1配置を動かしたときでしけども、これ、連続的にずっと動かしてきますと、これがだんだん連続的に減ってって、最後はこうなると。で、またさらに外にいくと今度まただんだん連続的に増えてって、これになってまたこちらに戻る。このミラーがどんどん連続的に右に行くに従って、これが増えたり減ったりします。で、この増えたり減ったりする、これがある距離動いたときに何回増えたり減ったりするかというのはその波長によりますので、それが全部合わさったものがデータとして出てきます。

 で、実際じゃあ衛星からどう見ているかっていうことですけども、センサがありまして、まず太陽から光が大気を通ってきます。で、中央で反射されます。あと、もう1つ反射されるともう1つよくご存じの赤外線、地球表面から赤外線って形で光が衛星のほうに入ってきます。このときに先ほどのとおり二酸化炭素とかメタンがありますと、で、衛星の中では、こういうふうにミラーが連続的に動いておりまして、この検出器から出てくる光は、これミラーが左端から右端に移ったときに、これ左端から右端ですけども、このような出力が検出器から出てきます。

 で、これはさっき、ある距離動いたときにどれぐらい増減を繰り返すかっていうのは、波長によって違うと申し上げたんですけども、非常に細かくこうなるものもあれば、ゆっくりになるものもあって、それを全部合わさった形がこのようなものになります。で、これが実際に衛星から出てくるデータで、これを地上のほうでこれに、逆フーリエ変換という手法を施します。そうすることによって、各色ごとにどれぐらいの強さの光が入ってきたのかっていうのを見ることができます。で、ここがちょうど水、水分、水蒸気で吸収されたもの、ここがメタン、これが二酸化炭素で吸収されたものになります。

 実際これ1個のミラー動いているようにこの絵はなっていますけども実際、衛星のほうはもっとよりコンパクトにするためにV字型のアームの両端にミラーを付けていて、その両方を動かすということをしております。実際、実物と同じ原理を使った、デモンストレーションをこのあと第2部のほうで、展示のほうでやりますのでぜひご覧いただきたいと思います。そこで二酸化炭素で吸収されたこのスペクトルというものが出てくる様子をご覧いただけます。

 で、これは実際に衛星が上がって、2週間後ぐらいに取ったデータになります。これがちょうど飛騨市付近で取ったデータになりますけども、このようなデータが取れております。で、これを先ほどの変換を施したところで、ちょうどここが767近辺で、これは酸素によって吸収されたものです。これが二酸化炭素、ここがメタン、これは二酸化炭素で吸収されて、このような波形が出てきております。で、ここのところをもう少し拡大してみますと、このようにはっきりとこう出てきております。

 で、これが二酸化炭素とかメタンを測るセンサの内部です。細かく説明はしませんけどもこういったところに、これは鏡が付いていましてこれで観測するところを選びます。で、入ってきた光でこう行って、ここにさっきの干渉計っていうのが入っていまして、出てきた光がここで順番に分けられていろんな色に分割するといったことをしております。で、中は非常にこうぐちゃぐちゃとケーブルがたくさん張った状態になっています。

※一部、判別できない箇所がございますことをご了承ください本文:16,676文字 この記事の続きをお読みいただくには、THE PAGE プラスの購入が必要です。

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最終更新:9/14(水) 21:30

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