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陸自の特殊部隊投入、「異例中の異例」 佐道明広中京大教授

琉球新報 9/14(水) 9:29配信

 機材の運搬に投入された陸上自衛隊中央即応集団は、大臣の隷下にある特殊な部隊だ。通常は海外での緊急支援やPKO(平和維持活動)などに従事している。ヘリコプターによる機材運搬は大規模災害で行ったことはあるが、今回の空輸は、地上で住民の反対運動が行われていることが理由で、米軍基地建設のために行われた。住民の反対があることを理由に、単なる建設工事に投入するのは異例中の異例で、通常任務の拡大だ。

 北部訓練場は米海兵隊が使用する施設だ。政府は移設工事で北部訓練場が部分返還されるために「負担軽減だ」と主張するが、県や県民世論は、米海兵隊そのものの沖縄駐留の在り方を見直すよう求めている。

 被災地の支援など住民に歓迎される状況ではなく、むしろ県民に「必要ない」と言われている中で自衛隊を投じて工事用の機材を空輸するのは、あからさまに「国家の力」を見せつける行為だ。知事も強引な工事を批判していた中、県民に「議論の余地はない」というメッセージを送ったと言える。

 ここまで強引に工事を進める理由として、安倍政権はしばしば「日本周辺の安全保障環境」を挙げる。だが米国との約束ばかりを優先し、強引に工事を進める政府の手法は、自衛隊を使わざるを得ないほど工事に対する県民の反対が根強いことを世界に伝えるもので、自ら安全保障環境を危うくしている。沖縄の人たちの本土に対する気持ち、政府への信頼をなくすことばかりしていては、安全保障環境は悪化するだけだ。(政治学)

琉球新報社

最終更新:9/14(水) 9:54

琉球新報