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「低カロリーでも満足満腹」に5つの条件 何をどう食べる?

日刊ゲンダイDIGITAL 9月14日(水)9時26分配信

 アメリカの栄養学雑誌「J AcadNutr Diet」に掲載された研究結果が、「無理は嫌。でも痩せたい」という人には魅力的な内容だ。活用すれば、おいしく食べながら痩せられるかもしれない。

 発表したのは、著書「低カロリー満腹食」が話題の徳島大学医学部医科栄養学科管理栄養士の奥村仙示氏だ。

 栄養学雑誌には「低カロリーでも満足度・満腹度を高くするには、どういうバランスで取ればいいか」を示したものが掲載された。20~60歳の事務職員280人を対象に研究は行われた。

 その結果、「①カロリー約500キロカロリー②野菜の量200~240グラム③米飯150グラム④塩分3グラム以下⑤カロリー密度1.0キロカロリー/グラム以下」を満たした食事が、食後の満足度・満腹度が高かった。

 奥村氏が強調するのは、機能性成分が研究で証明されている食品でも、それを単品で過剰に摂取するのは、体によくないということだ。

 たとえば、トマトには血糖値の上昇を抑制し、血中のインスリン濃度を低く抑える作用が認められているが、「糖尿病の人はトマトを大量に取れば糖尿病が治る」とのエビデンス(科学的根拠)はない。トマトだけの過剰摂取は、むしろ健康を害する。

「日常的な食生活では、複数の食品をバランスよく取る食べ方が非常に大切です。楽しく長く続けられる点でも推奨しています。ただ、これでは健康維持に大切な指標のひとつであるカロリーがわかりづらい。そこでひとつの基準を出したいと、今回の研究を行いました」

■メーンのおかずは手のひらサイズで

 前述した①~⑤を、具体的にイメージできる人は少ないだろう。奥村氏が目安を教えてくれた。

「米飯150グラムは、コンビニのおにぎり1.5個分です。加えて、手のひらサイズの主菜、小鉢サイズの副菜を3つ。小鉢サイズ1つで、だいたい野菜70グラムほどの量になります」

 献立にすると「豆腐ハンバーグ、温野菜、トマトと玉ねぎのサラダ、サヤインゲンとツナの炒め物、ご飯」といった品々になる。奥村氏が提示する分量に従い、実際に作って食べたが、記者(42歳・女性)にはやや多い程度に感じる量だった。

 ただし、調理法や食べ方によっては同じ献立でもカロリーが跳ね上がる。この落とし穴にはまらないようにするには「カロリー密度」をチェックするとよい。

 カロリー密度とは食品1グラム当たりのカロリーのこと。同じお好み焼きでも、イカ玉は465キロカロリー、マヨネーズをかけた豚玉は757キロカロリー。イカと豚バラ肉、マヨネーズしか違いはないのに大きな差が出るのだ。これらのカロリー密度は、イカ玉1.28キロカロリー/グラム、豚玉1.97キロカロリー/グラム。イカ玉は1枚丸ごと食べられるのに、同カロリー分を食べるなら、豚玉は4割ほど残さなければならない。当然、満足度・満腹度が高いのは、イカ玉だろう。

 つまり、カロリー密度が低い食品を選べば、それだけ多く食べられる。フライより炒め物、炒め物より蒸す方がベター。フライはタルタルソースより、塩で食べる。サラダはマヨネーズをかけずに、ノンオイルドレッシングで。どちらがカロリー密度が少ないのか迷ったら、油の使用量が少ない方、食品そのものの脂肪量の少ない方を選ぶとよい。

 ちなみに、調味料の厳選は「低カロリーで満足度・満腹度の高い食事」を実現させる上で重要になる。奥村氏の研究で、「見た目」は同じ内容の献立を、一方は調味料をノンオイルにするなどしてカロリーを抑え、もう一方は油分を使って高カロリーにして、何も知らせずに被験者に食べてもらった。どちらも同程度の満足度・満腹度だったという。

 楽して「痩せ」を手に入れたければ、「見る目」を養うしかない。

最終更新:9月14日(水)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL