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【池原照雄の単眼複眼】長いトンネル抜ける国内市場…16年通年では500万台に迫る

レスポンス 9月14日(水)11時45分配信

◆長期低迷の軽も底打ち目前

2015年1月からほぼ1年半にわたって前年実績を割り込んでいた国内の新車販売が8月にプラスとなった。9月以降も各社の新モデル効果などでプラス基調が持続する見通し。16年通年では500万台の大台乗せは依然厳しいものの、限りなくそのラインに近づく展開となりそうだ。

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8月の新車販売は前年同月比2.9%増となった。15年1月からマイナス続きだった市場は、今年4月に1.6%増と一度はプラスに転じたものの、燃費不正による軽自動車の不振もあって5~7月は再び失速していた。8月の再浮上は、今後の新モデル効果などを勘案すると、長いトンネルを抜ける転機となろう。

同月の増減率は登録車が5.7%増と、4月からの回復トレンドを維持する一方、軽自動車は2.0%減と20か月連続のマイナスになった。ただ、長期低迷の軽自動車は7月(6.3%減)、8月と落ち込み幅が1ケタになり底打ち目前の状況となっている。軽自動車の不振は14年4月の消費税、15年4月の軽自動車税のダブル増税による駆け込み需要の反動減が最大の要因だ。

◆近年にない充実の新モデル投入

しかし、暮らしに密着したクルマだけに、そのダメージもようやく癒えようとしている。最大手、ダイハツ工業の松下範至専務執行役員は「(経済性など)軽の良さを訴求していけば、必ず市場は活性化できる。全く悲観していない」と話す。同社は7月からすでにプラスに転じており、手応えを掴んだようだ。

8月から年末にかけては、各社の新モデル投入が近年にない集中を見せる。先週までに、日産自動車の『セレナ』、ホンダの『NSX』(販売は17年2月から)、ダイハツの『ムーヴ キャンバス』が発表された。今後も年末に向け、ホンダ『フリード』、富士重工業(スバル)『インプレッサ』、トヨタ自動車からは新SUV『C-HR』とプラグインハイブリッド車『プリウスPHV』の投入が続く。日産が登録車の最量販モデル『ノート』に設定するモーターのみの駆動によるシリーズ式ハイブリッド車も人気を集めそうだ。

もっとも、つまずきもあって9月の販売には不安材料も出ている。日産が自動運転技術「プロパイロット」の搭載第1弾として発売したセレナは、アイドリングストップシステムに不具合が発生し、リコールという事態になった。また、三菱自動車工業は燃費不正による国内8車種の販売停止影響が9月前半まで続く。幸い、日産セレナは部品交換などの対策が速く、12日には工場からの出荷を再開した。販売への影響を極力抑える懸命の対応だ。

◆9~12月に5%伸長すれば500万台に到達

今年1~8月の新車販売累計は約330万台で、前年同期を3.8%下回っている。うち登録車は1.0%のプラスと、この期間では2年ぶりに増加した。昨年12月の発売時から8月まで、ベストセラーを続けているトヨタの『プリウス』がけん引するほか、外国メーカーの輸入車も好調を続けている。逆に軽自動車は11.6%減と2ケタの落ち込みで足を引っ張ったものの、ようやく底打ちの兆しが出てきた。

ただ、新車全体でプラスに転じた8月以降の回復が持続しても16年通年では15年の505台を上回るのは厳しい状況にある。9~12月の4か月の動向がカギだが、仮にこの間に前年同期を3.0%上回ると通年では496万台となる。

また、12年から過去4年続けている500万台ラインに乗せるには、9~12月に5.1%の伸びが必要。これも厳しいが、限りなく近い線は期待できそうだ。国内市場の回復は産業全体に活気をもたらし、17年3月期業績での円高の直撃を和らげる材料にもなる。

《レスポンス 池原照雄》

最終更新:9月14日(水)11時45分

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